早食いは早死にのもと?(よく噛むことが健康の秘訣)

早食いは早死にのもと?

人より食べる速度が速い人は不健康

3年ほど前から職場が変わって、今は検診結果の確認やアンケートの報告などの仕事をしています。

左に問診票、右に診断結果が記入されたA3の用紙を、一日何百枚と見ていると、日常の生活習慣と病気の関係がとてもよく見えてきます。

生活習慣病」は、たしかに「生活習慣」によって作られるんですね~。
検診を受けられた方は、下の問診票を覚えていらっしゃいますか?
ここで健康のカギを握っているのは何番でしょう?

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15、就寝前の2時間以内に夕食を食べることが週3回以上・・
16、夕食後に間食を取ることが週3回以上・・
17、朝食を抜くことが週3回以上
その他、お酒を毎日飲む・・
    毎日1時間も運動していない・・
色々ひっかかるところありますね。

でも・・、もっとも気をつけた方がいいのは14番です。
14、人と比較して食べ方が速いですか?
なんと、「速い」と答えた方の半数以上が、肥満傾向、糖尿病、高血圧、高脂血症でした。
さらにその上、お酒を毎日3合以上、運動もせず・・では
確実に肥満度も病歴もアップします。
(*注 お酒毎日で、食べるのが速くても、一日1時間以上の運動や歩行をされている方は肥満や生活習慣病とは無縁の方が多かったです)

これは、こんなふうに考えられると思います。
早食い→満腹中枢が働かない→食べすぎる→肥満→生活習慣病→早死に
(よく噛まない→唾液が少なく消化に時間がかかる→胃腸に負担。他の体の悪いところが治せない→体調不良→病気に罹りやすくなる)

逆に食べるのが「遅い」で肥満している人は少なかったです。

これは、
食べるのが遅い→少ない量で満腹感が得られる→食べ過ぎない
(よく噛んで食べる→食べ過ぎない→活性酸素が少なく、消化酵素も十分、体調が良い→肥満や生活習慣病とは無縁→健康で長生き?)
という流れでしょうか。

「早食い」と「ゆっくり食べる」の違いは「よく噛むこと」。
つまり、噛むことで「唾液=消化酵素」を出すということが大事なのでしょう。
昔、「噛み方健康法」に書いてあった話を思い出しました。
ちょっと信じがたい話ですが・・・
裕福な時計商であったホーレス・フレッチャは美食好きの生活が災いして半病人の体になってしまいましたが、健康法の一つとして食物を徹底的によく噛むことによって若々しい体力を取り戻しました。 これが当時、イギリスやアメリカの名門大学の生理学者、栄養学者、さらには運動学者の心を動かし、世界的な評価を得るに至りました。フレッチャーはこの自分の経験から本を執筆し、フレッチャーイズムは世界中に広まりました。日本では『完全咀嚼法』という書名で和訳され、1940年に大日本生活協会から出版されています。


食べ物はゆっくり味わっていただき、どろどろになるまでよく噛むことで健康な体が保たれるのですね。
良いものを食べても、消化吸収できなければ無駄になりますが、できるだけよく噛めば、唾液=消化酵素で消化吸収が助けられ、病気を直すし体力もついてきます
もちろん、減量したい方も、よく噛めばフレッチャさん並みに痩せられます。
これから、すぐにでも始めたい健康法です。
こんな記事を書くのも、ちょっと自分の体で心配なところが出てきたからなのですが、
身体に「良い食べ物」を「よく噛んで」健康維持に務めましょう。

参考
フレッチャーが実践した要点は「咀嚼」「少食」「菜食」「シンプルな調理法」です。以下は食べ方に関する主なフレッチャーの実践した方法です。                    

 (1) 食事は、食欲が起きたときにとること。                        (2) 空腹でないときには、食事をとらないこと。
 (3) 愉快で、楽しい食事の時間をもつこと。                       (4) 食事の前や食事中にやたらに飲み物をとらないこと。
 (5) 食べたいと思うものを食べること。
 (6) 食べ物はよくかんで食べること。
 (7) 食べたくなかったら、途中でも食べることを止めること。

これらを実践することで、胃液が分泌され、腸の活動も活発になるため食べ物の消化・吸収が非常に効率よく行われることになります。また、下痢や便秘の治療にも有効です。空腹でもないのに食事をとると、胃液の分泌や腸の運動が不活発なために、消化・吸収が極めて悪く、また無理に血液を胃や腸に送るため、他の器官への血液のめぐりが悪くなり、不快感、不活発の原因ともなります。またフレッチャーは「百回噛みなさい」と言っていますが、それほどでなくとも良く噛んで食べる事が非常に重要です。