アーサー・ビナードさんのお話(1)~新造語のウソを見抜け!「駆けつけ警護」のペテンは宮沢賢治を読めばわかる。
アメリカ出身の詩人でエッセイスト、通訳者のアーサー・ビナードさんに会ってきました。彼のお話はわかりやすく、また立ち位置も私たちと同じで、優しく、しかし為政者には厳しい視点で世界を眺めています。詩人ならではの鋭い視点や考察をふまえてどんなお話が聞けるのか?
わくわくしながら行ってきました。
今年50歳というのに、若いし、ハンサムです。
スタイルも抜群ですが、この若々しいお顔をご覧ください^^
今日は仕事を休んで、彼のお話を聞きに行きました。
タイトルは「アーサーさんにはどんな明日が見えますか?」
まずは 詩人らしく「駆けつけ警護」という言葉に着目。
政府が作る新造語はペテン語ばかり。
それを見抜くことが大事!というお話から・・
そもそも、「駆けつけ」・・と言う言葉はどんな時使うか?
☆妻を殺しに「駆けつけ」たというような使い方はしない。
「駆けつけ(走って、大急ぎで行く)」のは「良いこと」をするために行く。「馳せ参じる」と同意で良いことをするのが前提
英語に訳してみると、ウソがわかる
hurry run rush to the guard
現場にはrush to the guard(警護に駆けつける) なんて任務はない。
軍事作戦で、殺し合いが始まっているところに自衛隊が入っていくのが「駆けつけ警護」である。
「駆け付け攻撃」しかできないのに「駆けつけ攻撃」は、憲法違反なのでできない。「戦闘」も「武力衝突」と言い換え。これらはペテン語!
現場の人たちは矛盾を感じているだろう
英語に訳しておかしな言葉とわかったが、防衛省のHPではどのように訳されているか?
なんと・・rush to the rescue(救済)
実際の駆けつけ警護とは全く意味が違う。
これは意図的に翻訳している。(言葉をうまく選んでいる)
rush to the guardではアメリカ人に「馬鹿な!」と笑われるが、
rush to the rescue なら「かっこいい」と思われる。
✿宮沢賢治の「雨にも負けず」には、「駆けつけ警護」のペテンを見抜く術がある。
雨にもまけず 宮沢 賢治雨にもまけず 風にもまけず雪にも夏の暑さにもまけぬ 丈夫なからだをもち慾はなく 決して瞋らずいつもしずかにわらっている一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜をたべあらゆることを じぶんをかんじょうに入れずによくみききし わかり そして わすれず野原の松の林の蔭の 小さな萱ぶきの小屋にいて東に病氣のこどもあれば *行って看病してやり西につかれた母あれば *行ってその稻の束を負い南に死にそうな人あれば *行って こわがらなくてもいいといい北にけんかや そしょうがあれば つまらないから やめろといいひでりのときは なみだをながしさむさのなつは おろおろ あるきみんなに でくのぼうとよばれほめられもせず くにもされずそういうものに わたしはなりたい
この*行っては、駆け付けること、
東、西、南には行って看病する、
母の稲束を替わって背負い、
病人には手を握り、言葉をかけるために馳せ参じる
北はどうかというと、「行かない。」
ケンカや争いはつまらないから止めろといって冷静に距離をとる。
行けば、暴力の火に油を注ぐだけであり、悲劇や被害を増やすだけだと賢治は知っていた。
賢治のような人がいれば、「駆け付け警護」の言葉のごまかしは見抜ける。
私たちも言葉のごまかしを「見抜く力」を養おう
みんなでそれを共有することが大事です。
前半はこんなお話でした。
使われる言葉をよく考えてみないといけない。
ウソやごまかしを見抜くには、どんなことを意図して使われているのか?その先で何をしようと目論んでいるのか?
先を読む力が必要ですね。
日本語がよくわかる、グローバルになれる、国際人になれる・・良いことばかりだ・・と仰っていました(^^)
後半はオバマさんの広島演説のお話に続きます