『自民党支持やめますか それとも民主国家やめますか?』(この二つは両立しないよ…)

2017-05-23

「共謀罪」は他の国にもある…という言い分について

本日、極めて残念…を通り越して、めっちゃけしからんことに

共謀罪衆院本会議で可決されてしまいました


そのとき、我が公共放送たるNHK衆院本会議を中継せずに、大相撲の生中継をしてたそうで

もはやNHKは「市民に伝えるべきことは伝えない」という、

報道機関としては真逆の方針をもつ機関となってしまいました

(…ってことは、もはやNHKは報道機関ではないのよね?)


そして、NHKが中継しなかった衆院本会議では、閣内協力与党である公明党の議員が

党を代表して共謀罪に対する賛成演説をかましてたそうです…↓
共謀罪。公明議員の賛成討論は市民と野党を敵視し根拠なく非難。そして絶叫。

「LINEやメールが監視されることはない」
「国民の不安を煽り、自由を萎縮させている」
「一部の野党諸君に猛省を促す」

説明不足と感じる人が多数を占めるなか与党が批判や異論を封じる。民主主義をなんだと考えるのか!
(↑ひとさまのtweetより)
共謀罪ができれば、その主な捜査手法は「監視」になるのは明らか…であり、

現在、人々の意思伝達手段のほとんどがネット経由になっていることを鑑みれば

「LINEやメールが監視されることはない」のではなくて「LINEやメールこそ監視されることになる」…

なんてことは「当たり前の話」なのに、そんなことさえわからないで(…というか、わからないフリをして)

共謀罪に賛成するのは「市民のまっとうな不安を軽んじ、市民の自由を軽んじる」あり得ない振る舞いであり、

そこまでする公明党には「猛省を促したい」を通り越して、

もう、揃って議員バッジを外してもらいたい(=解党してもらいたい)…と思うところです


ところで、「テロ等準備罪」が「共謀罪」そのものである…ということは

もう、けっこう知れ渡ってると思うところですが、それでもなお

共謀罪って他の国でもあるみたいやし…」と思って、

特に反対しなくてもいいんじゃないか…と思ってる人がまだいるかも知れません

なので、ここは原点に返って、「共謀罪」とはなんぞや…を考えてみたいと思います


共謀罪」は「犯罪の合意」という「内心」を処罰の対象とするもので、「内心処罰」法と言われます

この点、人は基本的に「頭のなかで何を考えるかについては制約を受けない」(≒処罰されない)ことになってまして

それは日本国憲法でも「内心の自由」として憲法19条で保障されているところです


この内心の自由は、表現の自由の出発点となる極めて重要な人権であり

頭の中を処罰する…なんてことは、およそ民主国家(≒自由国家)ではあり得ず、

それは独裁国家の「反体制派弾圧」に利用されるためにある…と言っても過言ではありません

(だって、何かを考えただけで処罰される…なんて、基本的にはあり得ないでしょ…)


だから、ホントは「内心処罰=共謀罪」なんて民主国家では許されないはず…なんだけど

ごく例外的に「犯罪の合意」の時点で取り締まる必要性が生じる場合もある…ということに一応はなってまして

それが、内心処罰である共謀罪が民主国家でも存在する根拠となってるようです


では、それがどのような必要性に基づいて「例外的に許容」されるのか…と言えば

例えば、政府が「テロ等準備罪」をつくる口実として使っている、

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(=パレルモ条約)」にあるように

「国際的な組織犯罪を防止するため」には「未遂以前の段階での対応を可能とする立法措置」(第5条)が必要…

というような理屈ですが、これはマフィアや(広域)暴力団のように

「どない考えても『犯罪を犯すことが組織の目的』になってる団体」の「構成員間の犯罪の合意」なら、

「実行される可能性が高い」上に「実行されると多大な被害が予想される」から

それは処罰可能な程度の危険性があるだろう…という理屈であり、一応の社会的妥当性があるところです


つまり、「内心処罰」は(民主国家では)例外的に許容されるに過ぎないもので、パレルモ条約でも

①「国際的犯罪集団による」(=犯罪主体の限定)

②「国際的な組織犯罪を防止するため)(=対象犯罪の限定)

という二つの限定をつけた上で「未遂以前の段階での対応を可能とする立法措置」を求めているだけで

それは「内心処罰」にはなるものの、主体の限定や犯罪の限定のない一般的包括的な意味での「共謀罪」を

根拠づける条約ではなく、パレルモ条約もそのような一般法をつくることまで求めてはいません


にも関わらず、日本政府が成立を目論む「テロ等準備罪」は「国際的犯罪集団」という「犯罪主体の限定」がなく

(この点、テロ等準備罪における「組織的犯罪集団」は「二人以上で犯罪の合意をする」ことで認定可能なので
 犯罪主体に何の限定もありません…)

かつ、「対象犯罪の絞り込み」もない、一般的包括的な意味での共謀罪そのもの…であり

(だって、「山でキノコ採り」でも対象にする…ってんだから)

これは民主国家では「例外的にも許容できない形の内心処罰」です


このような法ができれば、もはや、日本は民主国家でも自由国家でもない、

「超管理監視・非民主独裁国家」になってしまうのは確実…なので

そんな国はゴメンだ…と思うなら、共謀罪テロ等準備罪)には断固反対し、

このような天下の悪法を推進する政党を支持するのはやめましょう



ここでひと言…

自民党支持やめますか それとも民主国家やめますか?』

(ゆうとくけど、この二つは両立しないよ…)


もひとつ…

共謀罪やめますか それとも民主国家やめますか?』

(この二つも両立しないよ…)