日本が国連から脱退する日もそう遠くないかも知れない

日本が国連から脱退する日もそう遠くないかも知れない

日本は国連を「国際協調主義」を体現するものとして、とっても肯定的に受け止め、自らも積極的に国連で活動をしてますわね

例えば、身近な例だと、ユネスコの「世界遺産」の登録には官民あげて一生懸命…だし

外交的な課題に関しても、例えば、国連安保理の場で「朝鮮の核やミサイル」を議題として

制裁を強化すべきだ…と、積極的に活動をしてるところです


そんななか、日本政府が成立を目論む共謀罪(別名「テロ等準備罪」)について

国連のプライバシーの権利に関する特別報告者から、「強い懸念」を示す書簡がでんでん首相に届きました↓
「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行(東京:2017年5月20日

 プライバシーの権利に関する国連特別報告者ケナタッチ氏が、共謀罪」法案に対し、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付した。法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的で恣意(しい)的に適用されかねないなどと警告しており、国際的な視点から問題点を明示された形だ。

 書簡は十八日付で、法案で対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいると指摘。どんな行為が処罰対象となるか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとした。

 さらに書簡は、プライバシー保護の適切な仕組みが欠けているとして、懸念事項を列挙。「国家安全保障のために行われる監視活動を事前に許可するための独立機関の設置が想定されていない」と問題視した。

 政府は、犯罪の計画だけで強制捜査はできないが、令状がいらない任意捜査は必要性などがあれば認められる、としている。これに対し、書簡は「法案では令状主義の強化が予定されていない」と批判する。

 その半面、「警察がGPS(衛星利用測位システム)や電子機器を使った捜査で裁判所に令状請求する際、司法の監督の質が憂慮される」とも記述。政府側が歯止めとして強調する裁判所のチェック機能にも疑問を呈した。

 ケナタッチ氏は、情報技術(IT)に関する法律の専門家で、マルタ共和国出身。国連の人権理事会が二〇一五年七月、プライバシー権に関する特別報告者に任命した。

この書簡の全訳文は、以下のブログに掲載されていまして

【全訳きました!】国連報告者が安倍首相に共謀罪法案を懸念する緊急書簡を送付』)

その内容は長いので転載はしませんけども、

特別報告者は特にプライバシー権との関係における共謀罪の問題点として、

1捜査機関が、共謀罪で摘発しようと思えば「監視」を強化するしかないはず…だが
 共謀罪法案のなかには「捜査機関の監視からのプライバシー保護策」がない

2加えて、共謀罪の条文には「捜査機関の監視に対する令状主義の強化」もない

捜査機関からの令状請求をほとんど拒むことがない裁判所では
 捜査機関の監視に対する監督も期待できない


…と具体的かつ現実的に指摘し、これらの「強い懸念」に対して

追加の情報提供あるいは日本政府の見解を求めている…のに、
日本政府は…
共謀罪」法案、国連特別報告者の懸念に抗議 日本政府(朝日:2017年5月22日) 
国連特別報告者のジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が、「共謀罪」法案について「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」との懸念を表明する書簡を安倍晋三首相あてに送ったことについて、菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、外務省を通じて国連に抗議したことを明かした。 
菅氏は「特別報告者は国連の立場を反映するものではない。(日本)政府が直接説明する機会はなく、公開書簡の形で一方的に発出された。内容は明らかに不適切だ」と述べた。
また、「国連で採択された(国際組織犯罪防止)条約締結のために必要な国内法整備だ」と強調した。

なんと、国連に抗議しとるがな…


菅ちんは「特別報告者は国連の立場を反映するものではない」…なんてゆうとりますが
「国連人権理事会が任命した特別報告者」の書簡は、
少なくとも国連人権理事会の立場を反映するもの…であるところ
国連人権理事会は国連のなかで「人権の専門家」で構成される組織なので、国連全体よりも遥かに専門性が高く、その専門分野における見解を国連は無視できない…
どころか
その見解を積極的に受け入れ、かつ、生かすことが求められてるわけでありまして

菅ちんの言うてることは真逆…です

(つまり、国連は人権理事会の立場を反映すべき義務を負っている…というべきだからです)


また、この書簡は共謀罪への強い懸念に対する日本政府の「追加情報の提供と見解」を求めたもの…に過ぎず

仮に特別報告者の言い分に(事実誤認など)何か問題があるならば
「書簡に対する追加情報と見解」を速やかに用意し発表すればよいだけの話です


それもしないで、「特別報告者は国連の立場を反映するものではない」とか「公開書簡の形で一方的に発出された。内容は明らかに不適切だ」と抗議するのは、それこそ「一方的」過ぎる…と思います

(ついでに言うとくと、菅ちんはどさくさに紛れて、
「国連で採択された(国際組織犯罪防止)条約締結のために必要な国内法整備だ」とゆうとりますが
 これに関しても、その立法ガイドを務める専門家から
国際組織犯罪防止条約の目的はテロ対策ではない」と指摘されてますので
テロ等準備罪」が条約批准のために不可欠だ…という日本政府の説明はまったくの虚偽です)





※補足…国連の特別報告者の書簡のなかにある、共謀罪への総括的な懸念は以下の内容です↓

 提案された法案は、広範な適用がされる可能性があることから、現状で、また他の法律と組み合わせてプライバシーに関する権利およびその他の基本的な国民の自由の行使に影響を及ぼすという深刻な懸念が示されています。
 とりわけ私は、何が「計画」や「準備行為」を構成するのかという点について曖昧な定義になっていること、および法案別表は明らかにテロリズムや組織犯罪とは無関係な過度に広範な犯罪を含んでいるために法が恣意的に適用される危険を懸念します。

テロ等準備罪という名称を用いながら、条文に「テロ」の文字がなく、
専門家から見て「テロ対策」にもなってない…というのは、詐欺以外の何物でもありません

加えて、テロとは関係のない犯罪を広範囲に網羅するのは、明らかに「テロ対策以外に重点がある」のであり、

それは「捜査機関から組織的犯罪集団とレッテルを貼られた一般人」を対象にしたものであることは明らかです


※付録…日本政府の呆れた抗議に関するひとさまのtweetをいくつかあげておきます

国連にまで抗議。1933年満州におけるリットン報告書に反発し国際連盟を脱退した歴史の再来か。 

日本政府は従来から「人権関係の勧告」に対して真摯に対応してきたことはありません

(だから、何回もおんなじ指摘を受け続けてるのよ…)

で、今までは国連からの人権関係の指摘には「真摯な対応をしない(で黙殺する)」というのが、

日本政府の変わらぬ方針…だったのでありますが、

今回は「抗議」ということで従来の「無視(あるいは黙殺)方針」を超えた、積極的反国連主義路線へと舵を切った…とみることができます


なので、このままでいくと…

早速反論来ました。そのうち国連脱退くるのかな・・・1930年台にも日本は国連脱退。その後に国内で愛国報道が増え、国民総洗脳状態で、第二次世界大戦へ。
日本政府代表が「国連よさらば」…と言う日も近いのではないか…と思わないではありません

(だって、「歴史は繰り返す」(≒人は愚かな失敗を繰り返す)って言うでしょ…
 もちろん、すべての人がそうであるわけではない…けど、日本政府を構成する人とそれを支持する人たちは
 そういう失敗を繰り返す可能性が高い…)


ちなみに、この特別報告者を選任した国連人権理事会というところは…
国連特別報告者はこちらの疑問に国としてちゃんと答えろと言ってんだがね。特別報告者って国連の人権委員会と繋がってるハイレベルな人権に関する調査員だろ?日本だってここに拉致問題を何度もとりあげてもらってるのを忘れたのか。そこからの質問無視して抗議って、本邦は国連から脱退でもする気か?
日本が「朝鮮の拉致問題」を訴えてきた場所…ですので

無視してお終い…じゃなくて、抗議してお終い…では、決してお終いにはできないでしょう


…なんてことを考えてたら、やっぱり、お終いにはできない模様…↓
ロイター英語版の方がはるかに深刻な事態を伝えている。

国連特別調査官「日本政府のこのような振る舞いと性急な保身的抗議は絶対正当化できるものではない」

激オコですよ! 当然この発言は明日には世界中を駆け巡る。
どうすんだ、菅!
https://t.co/lFKYBnIsRl
これ、「国連特別報告者(の書簡)は国連の立場を反映するものではない」という閣議決定で、お終いにできる話ではないと思うよ…