この国はいつから 一億総興信所に

この国はいつから 一億総興信所に

 山尾志桜里議員が民進党を離党したこと自体は喜ばしいのですが、ずば抜けて頭の切れる彼女が国会で発言の場を失ってしまうのは惜しいことです。

 彼女の不倫疑惑について、メディアを含めて一種の「人民裁判的」な糾弾が行われています。しかし国民の前で何もかも明らかにしなくてはならないというのは、議員にはプライバシーがないとするもので暴論です。そうした風潮に疑問を呈するブログをつ紹介します。


 なお2番目の「弁護士 猪野 亨のブログ」に対して、米山隆一新潟県知事が以下のように賛同のツイートをしています。
『なんにでも首を突っ込む地方の知事として(苦笑)、このツィートに賛同します。
僕も他人のロマンスに興味はありませんが、衆を頼んでの人民裁判は嫌いです。
それが女性、男性、人種、国籍、思想、信条のいずれに向けられたものであっても。(9月8日)』

  「まるこ姫の独り言」と「弁護士 猪野 亨のブログ」の太字・青字の強調部分は原文に拠っています。
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気分はどんより、この国はいつからか一億総興信所になってしまった

まるこ姫の独り言 2017年9月8日
週刊誌が芸能人や政治家の不倫疑惑を暴くのが主流になっているのが今の日本の現状で、
山尾志桜里その標的にされた。
もちろん不倫報道が事実なら、モラルには反するが、政治の実力とは別問題だと思うが、
昨日から今日にかけて朝から晩までお祭り騒ぎの様に、皆嬉々として山尾志桜里を断罪する。
記者会見を開く前は、早く開け、開いたら開いたで会見を打ち切って質問時間がなかったとほとんどが糾弾する。しかし、あの場で質問時間を取ったとして、寝たとか寝なかったとかほとんどが下世話な質問になり確かに視聴者の好奇心は見たされるだろうが、それがなんなのか。
好奇心で山尾志桜里の人格を貶めたら気が済むのか。
昨日の朝の番組で、コメンティターの山田美保子
>みんなでおじさんたちが、イジメているように見える。週刊文春の編集部は誰一人不倫をしている人はいないのか
確かに不倫は道徳的にはやってはいけない事だろうが、有名人の粗さがしばかりして興信所と化した週刊誌に対して憤懣やるかたないような発言をしていたのが印象的だった。
最近の週刊誌は、身の下ばかり扱う興信所と化してしまった。
それをやんやとはやす国民性。
今日のモーニングショーでは、民進党番記者である女性記者が正義の味方とばかりに、山尾志桜里をこき下ろしていた。
会見を開いたはいいが、質問時間が無かったのは許せないと言っていたが、山尾志桜里の立場になったら、夫と子供もいるだけに、赤裸々に答える事がどれだけ至難の業か。。。。。
そして不倫を否定するのなら離党するのは整合性が取れないとも言っていたが、記者会見でも言っているように、山尾志桜里が党内に残ることで国会運営にも多大な支障を来たすし、迷惑をかける事になるしで、離党の道を選択したと考えたら何も不自然でもないし、整合性が取れないとは言えない
玉川や吉永が、覚悟がなくやったのかとこれまた手厳しい事を、言っていたが、長年人間でいたら魔がさすことだってあるだろうし、夫がいても心がときめくことだってあるだろうし。。。。
山尾志桜里の、写真に撮られたあの幸せそうな顔を見ていたら、恋してしまったのだろうなあと。 小さい声で羨ましい。。。。。。。
幹事長職に内定した当日に、ホテル云々は脇が甘いと言われたら、当然そうだし一言もないが。
与党議員と野党議員では責任の重さがまったく違うのに、嬉々として扱うお祭り騒ぎは
どうなのか。
山尾志桜里は野党議員だ。
不倫をしたことで大きな問題があったとしても、与党議員ほど直接的に政策に携わっているわけでないし、国民に大きな影響を与える訳でもないのに、蜂の巣をつついたような大騒ぎは、異常にも見える。
男性社会が若手のホープを潰したくて仕方がないようにも見えるのは私のひがみか。
翻って、不倫したとされる自民党議員で離党はした人間もいるが、今井絵理子は未だに会見も開かず離党もしていない。こちらには目をつぶって、野党議員の不倫疑惑を徹底糾弾はどうしても片手落ちだと思うが。。。
少なくとも、「離党したから終わりというわけにはいかない」と言う自民党議員には糾弾する資格はないと思う。
最後に私も山尾志桜里にエールを送ろう
山尾志桜里という政治家は、皇統問題、共謀罪、本当に舌鋒鋭く、女性の目線と女性の
感覚のままで、男性社会の政治の世界で活躍してくれる人物だ。
>「幹事長内定」なんて、メディア各社がコメントを取ろうと追い回すタイミングじゃないか。
気が緩みすぎ、浮かれすぎ、一体なにをやってるの!?
せっかく抜群の優秀さとルックスと追及力に恵まれて、政治家として正義感を持って、公のために役立つ人になれたのに、あまりにも損失が大きすぎる。
わたしも横浜市長選では???マークのオンパレードだったが、政治家として優れている事は確かだし、山尾志桜里を応援する熱い人たちもたくさんおられる。
マイナスからのスタートで、一回りも二回りも大きな政治家になって、公の為に役立つ人になることを期待したい。
人生は、一生勉強だと思って。。。。。




山尾志桜里議員叩きの異様性 女性議員だから?

 「良妻賢母」を求めているのかもね。

弁護士 猪野 亨のブログ 2017年9月9日

 山尾志桜里議員が民進党を離党しました。とても残念なことです。私はこれからも議員としての活躍を期待しているところです。

 

 さて、有権者の中には裏切られたという声もあるようです。待機児童をなくそうということの先頭に立っていたのが山尾氏でした。

 待機児童を抱えるお母さんたちから裏切られたという声があるようなのですが、この裏切られたというのはどういう意味で言っているのでしょう。

 スキャンダルにさらされ、これまで山尾氏が失脚し、待機児童問題の解決が遠のいたことを言っているのでしょうか。

 期待が大きければ、この意味で裏切られたというのであれば、心情はわかります。しかし、それなら、むしろ山尾氏を支援すべきだと思うのですが。

 

 それとも不倫をしていたこと自体が裏切りだというのでしょうか。どうもこの意味で使われているようなのですが、待機児童の問題と不倫問題は何の関連性もないのに、この「裏切られた」というのは理解し難いところです。全くの別問題なのですから、単に不倫に対して感情的に嫌悪感があったというレベルでしょう。

 安保法制や憲法9条改憲に反対活動の先頭に立っていた、しかし不倫をした、裏切られたと同じレベルだということです。

 だからこそ、待機児童問題と関連付けているのであれば、その思考は、もうちょっと冷静に考えようよと言いたくなります。

 

 これに対して、自分の家庭も守れないなら、という前提をもってきて、そのような人に待機児童問題を言う資格はない、あるいは議員である資格はないという結論につなげている批判もあります。

 しかしね、不倫問題は、確かに子にも影響を与えることもある問題ですが、基本的には夫婦間の問題です。無理やり、関連付けたと見えてしまいます。

 

 もっとも子どもよりもその不倫相手と一緒に過ごしているということをとらえて、子を蔑ろにしているという批判もあるようです。

 しかし、山尾氏が男だったら同じような批判のされ方をしたでしょうか。

 私は、そこにはどうにも「女のくせに、子どもを放っておきながら男といちゃついていたとはね」という発想しか感じられないわけです。

 

 以前、中川郁子議員(自民党)がやはり同じ自民党の妻子ある門博文議員との不貞がスキャンダルとして報じられたときも(中川氏には配偶者はいない)、主に叩かれていたのは中川郁子氏でした。政務官の立場もあったからというだけでは説明がつかないアンバランスな叩かれ方です。

 中川郁子氏が女性だからというようにしか見えませんでした。

 中川氏の地元の反応は最低で、中川家の嫁の分際でというもので、その封建意識丸出しの発想には暗澹たる思いです。むしろ、中川郁子氏に同情してしまいます。

 

 細野豪志氏は男性だからでしょうか、大して騒がれていません

 

 さて、国民が女性議員に求めているものは一体、何なのでしょう。良妻賢母でも求めているのでしょうか。こう言ったら何ですが議員としての活動と「良妻賢母」が両立するとは到底、思えません。最初から育休だみたいな議員は、議員活動はせず、育児に「専念」だということになるのでしょうが、通常のまともな女性議員は産休はとっても育休など取りません(制度上、議員の育休はありませんから、事実上、議員活動を休止するということになります。)。まさに議員として活動したいがために議員になっているからです。

 議員としての活動は、端っから家庭も子育ても両立することはなく、それを女性議員だからということで「良妻賢母」を求めるのは論外です。それこそ女性には議員をするなと言っているようなものです。

 昨今、不倫報道が過熱しているそうです。

不倫報道、なぜ過熱する? テレビでは笑いがわく場面も朝日新聞2017年9月8日)

「いつの世にも不倫はあり、古今東西の文学の題材にもなってきた。だが、メディアコンサルタントの境治さんは「それにしても、いまの報道の過熱ぶりは異常だ」とみる。民放の在京キー局が、不倫報道にどれだけ時間を割いているかをデータ会社に依頼して調べたところ、2014年、15年は30時間未満だったのに、16年に170時間に急増、今年は8月27日までで120時間に上り、「この2年の突出ぶりが際立つ」という。」