シリア攻撃 戦火を広げてはならぬ
転載ができなくなってしまったため、コピー転載させていただきました。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/180425?rct=c_editorial
トランプ米大統領は英国、フランスと共にシリアへの軍事攻撃に踏み切った。
アサド政権軍が首都ダマスカス近郊で化学兵器を使用したと断定し、関連施設を標的にした。
どのような理由があっても化学兵器の使用は許されない。
だが、軍事攻撃にどれほど効果があるだろうか。
米国は昨年4月にも同様の疑惑を受け、シリアを攻撃したばかりである。
シリアでは関係国の利害が複雑に絡み合い、泥沼の内戦が続く。場当たり的な攻撃が事態の打開につながるとは考えにくい。かえって対立を先鋭化させ、問題の解決を遠のかせるだけだ。
ましてや、戦火が広がるようなことはあってはならない。
軍事攻撃は、化学兵器禁止機関(OPCW)が現地調査を始める矢先のことだった。
そもそもトランプ政権に一貫した中東政策があるとは思えない。
トランプ氏は今月初め、シリアに駐留する米兵2千人の経費を問題視し、撤収させる方針を表明したばかりだ。
今回もどこまで先を見通して行動したのか、甚だ疑わしい。
一方で、シリアとその後ろ盾であるロシアの側にも問題がある。
アサド政権軍の反体制派に対する非人道的な攻撃は目に余る。
関係国の対立が、7年に及ぶシリア内戦の解決を置き去りにしてきた。犠牲者は30万人を超える。米ロは武力でなく、外交によって緊張緩和に努めるべきだ。
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