韓国史上最大の悲劇、光州事件を 描いた「タクシー運転手」



韓国映画はあまり観ていませんが、これはお勧め!とあって、
昨夜、仕事帰りに観てきました。
「タクシー運転手 約束は海を越えて」


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光州事件とは・・・
1980年、5月18日から27日にかけて光州を中心に起きた民衆の反政府デモ。デモ参加者は20万人で、全実験を握る軍が市民を暴徒とみなし銃弾をあびせた

運転手のマンソブ(ソン・ガンホ)は滞納している家賃10万ウォンを支払うという条件につられて、ドイツ人記者を光州まで乗せる。
光州は戒厳令が敷かれ、一切の出入りが禁じられていたが、気転を利かせて検問を突破、光州に入った。
そこで出会った、民主化を求めてデモをする市民と学生たち。
「死ぬのも一緒、生きるの一緒」…と弾圧に屈せずデモを続ける彼らに、
軍は容赦なく実弾で応酬する・・
壮絶な戦いはまるで戦争のよう・・

軍隊も警察も機動隊もみな権力者の番犬になる。
武器を持たない市民を打ち殺すことも厭わない狂気。
戦争でなくても、政府は自分の意に沿わない者たちは弾圧し、市民を殺す
今の沖縄も同じ構図。
政府は市民を守らないということだ。
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通訳に雇われた大学生(リュ・ジュンヨル)は、ドイツ人記者の取材を英語で助ける。無垢な青年の笑顔に救われるが、学生を撃ってくる韓国軍の発砲に倒れてしまう。大学生は、ドイツの記者に「どうか、無事生き延びて、この光景を世界に伝えてください」と頼んでいた。
副題が「約束は海を越えて」
約束を守るべく、必死に厳戒態勢の中を飛行場に向かうタクシー。

しつこく追ってくる軍は、人の命など歯牙にもかけぬ残酷さで迫ってくるカーチェイス。このあたりはハラハラドキ・・

ここで軍の車を巻くために応援に来たタクシー運転手たちの協力も見もの
その何人かは車や自分の命を犠牲にしてしまうのだが・・
尊い記者の使命を果たしてもらおうと・・みな協力したのだった。
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特に情に厚い光州の運転手役のユ・ヘジンはマンソプの車が故障すると、自宅に招いてご馳走をふるまい、誠心誠意マンソプを支える。
「光州は温かい人が多い」というセリフもあったが、温かみのある光州市民役を演じていた。
ドイツ人記者ユルゲン・ピーター役には「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマン。寡黙でも、存在感溢れる演技で圧倒された。
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映画の役者さんたちが実にうまい。
過去の悲しい事実を扱ったものだが、ところどころにユーモアも交え、光州の人たちの温かさを伝えている脚本も素晴らしかった。

今の日本と同じく都合の悪いことは伝えない報道機関、それを信じてしまう国民という図式も見られた。