第70回正倉院展


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11月3日は夜の8時まででしたが、夕方5時でも行列。
やはり、平日の夕方くらいに行くのが良いようです。

毎年、遠方の母や友人のためにカレンダーや図録を買っているので、
解説はそれを見れば良い…ということで、混雑の中、
見ておきたいものだけを見て、後はスルー。


今年のお宝も美しく、その意匠や技術に感嘆します。
いつものように、心に残った数点を図録からご紹介

正倉院展チラシの表紙にもなっている玳瑁螺鈿(タイマイらでん)八角箱。
仏様へのお供え物を入れた箱。長径39・2cm。高さ12・7cm
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玳瑁タイマイはウミガメの甲羅を加工したべっ甲の下地に、ヤコウガイ螺鈿の技法で、花鳥文様を表現。精巧な技術と美的造形に魅了されます。
唐で製作されたようです

螺鈿八角鏡(螺鈿飾りの鏡)
聖武天皇の身近にあった鏡で、裏は、ヤコウガイを使った螺鈿、花の赤い部分は琥珀、隙間にトルコ石と超豪華。これも唐から。

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よく見ると、オナガ鳥もいます。
オナガはよく見かける鳥だったのでしょうか。
花鳥図というくらいなので、昔は鳥が今より身近な存在だったのでしょうね。


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沈香木画の箱(献物箱)
凝ったデザインで、種々の工芸技術の集大成の木箱
蓋と側面には美しい絵。
小さな絵は、窓を作って彩絵を施してから水晶板で蓋を…
それでこのように色鮮やかなまま保存されたようです
オシドリや鹿、キリン、花などの絵。

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もう少し拡大すると…
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こんな絵が綺麗なままで残っています。

底部がとても素晴らしく、
葡萄唐草文様を透し彫りした象牙製のはめ板を飾っています。


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刺繍飾りの靴

当時の美しさは失われているけれど、豪華だったことが思われる室内履き
爪先に刺繍を施し、花形の飾り、紙と絹や麻で作られています。
これも唐から。唐で流行った女性のツッカケのようなもので、
光明皇后がはかれたかもしれない…とありましたが、
サイズが27センチの不思議

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磁鉢(二彩の鉢)、陶器。
僧侶の食事や托鉢に用いられた鉢。緑と白の2種の釉薬で彩られた奈良三彩の鉢
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カレンダーの写真からなのでちょっと歪んでいます。

磁鼓(三彩の鼓)
三彩の技法は唐から伝わり、奈良時代はこれに倣って、奈良三彩が焼かれた。
鼓の胴は木製が主流だが、焼き物の僅かな例。唐の音楽と焼き物の技法が日本で再会して世界で唯一の三彩鼓胴を生み出した。

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犀角の如意棒(犀角飾りの僧侶の持ち物)
犀の角を削って掌形を作り、赤や青に染めた象牙の表面に花や鳥を彫り、水晶や真珠がはめ込まれ、豪華に作られている。
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装飾や色がとても美しいものでした。

唐からの技術と美意識は素晴らしいもの、それを受け継いだ日本の職人さんの技術も…。昔からの中国との文化交流で、日本はその恩恵を受けたことを改めて思い直しました。

www.narahaku.go.jp/exhibition/special.html
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