カメラOK「高麗青磁ーヒスイのきらめき」11月25日まで

東洋陶磁器美術館にて、高麗青磁展を観てきました。
素晴らしい作品ぞろいで、カメラOKなのに、展示会は25日の日曜日まで。
紹介遅れてすみません。

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高麗青磁は高麗王朝(918-1392)の滅亡とともに姿を消した「幻のやきもの」。しかし、王朝滅亡から約500 年後の19世紀末から20世紀初頭にかけて、王陵の墳墓や遺跡などが掘り起こされ、高麗青磁は再び世に現れました。
翡翠(ヒスイ)のきらめきにも似た美しい釉色(ゆうしょく)の高麗青磁は、瞬く間に当時の人々を魅了。一躍脚光を浴びました。
とりわけ精緻な象嵌(ぞうがん)技法を特徴とする高麗青磁の美しさは、中国においても高い評価を受け、「天下第一」とも称されています

ポスターの写真は……
重要文化財青磁陽刻 龍波濤文 九龍浄瓶 
せいじようこく りゅうはとうもん きゅうりゅうじょうへい全体で33センチほどの高さですが、よく見ると竜の顔に迫力を感じます。
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           頭部
高麗時代・12世紀  高33.5cm  大和文華館所蔵
釈迦が誕生した際に天から九龍が香水を降り注いだという「九龍灌頂(きゅうりゅうかんじょう)」の説話にちなんだ、九龍をモチーフにした作品。仏前に清らかな水をささげるための仏具。精緻に造形された九龍の頭部は力強く荘厳で威容をそなえ、それぞれの龍頭に対応する龍身が、浄瓶の器表に流麗な陽刻文様で表されている。九龍の口から浄水が注がれる。
本作は高麗青磁の釉色がもっとも美しい12世紀のものであり、当時高麗の人々はそうした釉色を「翡色(ひしょく)」と呼んで金銀器以上に貴んでいた。ヒスイのきらめきをたたえた高麗青磁の唯一無二の最高傑作の一つ。
重要文化財青磁陽刻 蓮唐草文 浄瓶
せいじようこく はすからくさもん じょうへい
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高麗時代・12世紀  高36.5cm  根津美術館所蔵

器の表面に施された文様が美しいです。
瓶は仏前に供える浄水を入れる仏具の一つ。観音菩薩の持物ともされる。
本作は、細長い頸から肩にかけて流れるような美しい曲線が裾に向かってなだらかにすぼまり堂々とした姿を見せる。胴一面に広がる蓮唐草文は陽刻で浮き彫りにされ、そこに溜まった青緑色の釉が、ヒスイのきらめきにも似た清浄感あふれる陰影をなす。葉が三枚に分かれているのは慈姑(くわい)で、慈悲の「慈」の文字があることから吉祥文。上下三段にわかれて交互に現れる蓮の花と葉、慈姑の文様はきわめて規則正しく構成され、高麗仏画の尊像の衣の文様に見られるこの組み合わせは、浄瓶にふさわしい。
青磁透彫 唐草文 箱
せいじすかしぼり からくさもん はこ
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高麗時代・12世紀 高11.8cm 東京国立博物館所蔵

全面にほどこされた精緻な透彫技法には、高麗青磁の気品が十分に感じられる。さらに全体にたっぷりと施された青磁釉は、ところどころの厚くなった部分が宝石のように美しく、翡色青磁と呼ばれるにふさわしい。
底部をのぞいた箱の全面に繊細な唐草文を施し、蓋の中央には稜花形の窓を設けて牡丹文をそえ、その周囲を唐草文で埋めつくし、側面には如意頭文を巡らせ華麗な文様構成。化粧箱と考えられている
(解説はHPによるもの)

美しいのは色だけでなく、デザインも造形も精緻な技法も目を見張るものでした。

写真OKでしたので、その他の作品もいくつか、ご紹介します。
青磁連弁飾り香炉
韓国12世紀の有名な国宝を手本に作られた作品。
ウサギ足の香炉は当時人気であったようです。
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とても愛らしいウサギ。小動物が入ると親しみやすい作品に…
これほしいです。笑


(胴に立て溝を8本入れ、瓜の姿を写し、朝顔のように大きく口を開き、流れるような造形。胴には、蓮花文、連弁文が順に陽刻で控えめにうきぼりされている。)
もっと大きく撮りたかったのですが・・実物はもっと美しい。

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 近代における高麗青磁再現作品 (茶道具としての菓子鉢が当時多く造られた)
  白象嵌の文様が美しいです。
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青花透かし彫り、竜文筆筒(筆を入れておく筒)
コバルト顔料によるアクセント
美しい透かし彫りに圧倒されました。
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この化粧箱も美しい。個人的には透かし彫りの箱よりこちらに惹かれる。
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化粧品を入れる容器 青磁象嵌雲鶴文合(もんごう)
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       象嵌文様で埋め尽くされたデザイン


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とても美しい作品ばかりで、感動しました。
技術と当時の美意識がとても素晴らしいです。
後4日ほどですが、出かけられる方、是非カメラを持ってお出かけください。

  特別展「高麗青磁―ヒスイのきらめき」
* 開催期間
 平成30年9月1日(土曜日)から11月25日(日曜日)まで
午前9時30分から午後5時まで(入館は閉館の30分前まで)
* 会場
 大阪市立東洋陶磁美術館
 大阪市北区中之島1-1-26(大阪市中央公会堂東側)
 京阪中之島線「なにわ橋」駅下車すぐ。Osaka Metro御堂筋線京阪本線淀屋橋」、Osaka Metro堺筋線京阪本線「北浜」各駅から約400メートル
  電話:06-6223-0055 ファックス:06-6223-0057 
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