週刊文春「奄美大島「世界遺産」ほしさに猫3千匹殺処分計画」

週刊文春奄美大島世界遺産」ほしさに猫3千匹殺処分計画」

本日発売の週刊文春に、奄美大島のノネコ問題が掲載されています。
また、環境省はこれまでクロウサギの生息数を2,000~4,800頭としてきましたが、朝日新聞の情報公開請求により2015年時点で、推定生息数は15,221~39,780頭であったことを認めたそう。
また記事によれば、クロウサギの死因調査では、犬猫による捕食は10%で、原因が判明している死因では交通事故が最多とのこと。
2028年3月までの9年間継続されるとなると、約4憶もの税金(19年度の予算案ベース)が投入されることになります。
ぜひご覧ください。

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地元の方の話
記事で書かれてないので、自然遺産登録に別段積極的でない地元民として一つ書いておきます。

昔から、奄美で生きるということは毒蛇であるハブに噛まれないことが大事でした。
血清のない時代は手足噛まれたら壊死する場合があるので切断することもあったようです。

うちの島には固有種のケナガネズミもいますが、外来種である、本州にもいるクマネズミもいます。
ケナガネズミは山の中で生活しますが、皆さんお住まいの地域にもいるクマネズミは住宅地に出没します。
ネズミがいると、ハブは獲物を追って住宅地に現れます。
単純な話です。

奄美の家屋は基本的に台風で家を吹き飛ばされないように隙間風をあえて抜くために密閉性の低い構造にして、あちこち隙間があります。
そこからネズミもハブも侵入してくる。
そこで、島では古くからネコを益獣として重宝してきました。
ネコは優秀なスナイパーであり、ネズミやその他の害虫類を家屋周辺に近寄らせません。
奄美ではネコはペットというよりも「益獣」としての役割があります。
これは時代がどう変わっても奄美の自然と共生していく上でほとんど変わらない事実です。
だから都市部では当然とされる屋内飼育が、集落では定着しないんです。誰だって自宅近くにハブ現れてほしいなんて思いませんから。
下水道がいまだ未整備の地域では尚更です。

ちなみに北海道の天売島や小笠原諸島ではノネコを減らしたら今度はクマネズミが大繁殖しました。

↓天売島の例


この2つのエリアには、ハブはいませんが奄美にはいます。

ネコを邪魔者扱いすれば、今度はネズミが増えて住宅地で問題発生しますよ、ネコどころでなく衛生問題とハブ咬傷数増えます、と何度言っても聞く耳持つ人は少ないです。
ただでさえ空き家が増えてハブの住処にピッタリな草ぼうぼうのお家があちこちの住宅地にあるのに、これで必要以上にネコを害獣扱いすると、どうなるだろうかと。

でも関係者は全然聞く耳持ちません。

短絡的に考えて、クロウサギ保存のために猫を大量処分というのは
おかしいのではないでしょうか。
猫も命あるもの。
ハブを退治するための益獣としての役割もあったのに、
クロウサギ死因の原因にされ、税金で殺処分というやり方にゾッとします。