桜ノ宮公園にて

久々の晴天に恵まれた今日は、職場近くの桜ノ宮公園に出かけてみました。
桜ノ宮公園は大川河川敷にそった細長い公園で、桜並木が美しい所です。
桜のつぼみはほんのりピンクに色付いています。
こんな開花前の桜の木を見ると、中学校の教科書にあった 染色家志村ふくみさんのエッセイを思い出します。
花を咲かせる直前の桜の木の皮で布を染色すると、茶色い木の皮で染めたにもかかわらず、美しい桜色に染まるという話です。この話は有名な話ゆえ皆さまもご存じの方が多いことでしょう。
桜は冬の間に、木全体が一生懸命ピンクになろうとして、・・・その結果、先端のつぼみや花びらがピンク色になるのだそうです・・・。想像すると、とてつもなく神秘的な木の営みに思えます。
今日も、桜のつぼみを眺めながら、桜の樹皮が・・幹が・・枝が・・見えないところでピンク色に染まっていくのを想像しました。
桜色に染めるための桜の樹皮は、いつのものでもいいわけではなく、開花直前の樹皮に限って桜色に染まるというところに・・感動します。
桜色は大好きな色でもあり、この開花直前の樹皮を少しだけもらって、染織家になりたい気分です・・・。
 
ふと上を見上げると、一段高いところにある造幣局の敷地は、日当たりが良いらしく、もう枝垂れ桜が咲いているのが見えます。でも、有名な造幣局の通り抜けの桜は、八重桜が多いので、見られるのはたいてい四月の中旬。通り抜けより先に、大川沿いの桜が一斉開花します。それはそれはすばらしい眺め・・。
私もフォトアップができるようになっていましたら、ぜひ1枚はご紹介したい景色です。
4月はじめに大阪にお越しの節は、ぜひぜひ桜之宮公園にも行ってみてくださいね。
お花見のおすすめスポットです。
特に、帝国ホテル、OAPタワーのあたりは、公園の植物も手入れが行き届いていて、春先は、椿、ユキヤナギレンギョウヤマボウシ、シャガ、・・・と、百花繚乱という言葉がぴったりなほどたくさんの花が咲いています。
15年前に、こちらの職場に転勤したとき、こんなお花畑のようなところを通って、毎日会社に通えるのをとても幸せに思いました。・・・花は、心を癒して、元気にしてくれますから!!
 
で、ぼんやり 桜の木を見ていると、こぎれいな、身なりをしたおばあさんが通りかかって、声をかけられました。
「こちらにこれを捨てるところありませんか?」
見ればコンビニの袋の中身は、空き瓶や空き缶。
銀橋の通り道の真ん中に捨ててあったのだそうです。
最近はマナーが悪くなりましたね。
「ビンは、誰かが蹴って橋の下の公園に落ちても危ないし、通行の邪魔にもなるので拾ってきたのですが、・・ゴミ箱がありませんの。」
私も一緒に探したのですが、今、ゴミは持ち帰りを原則としているのでしょうか。
ゴミ箱は見当たりません。これからお花見シーズンのことを思うと、なんだか憂鬱になります。
「職場に帰るとき、私が持って帰りましょう。」と言ってみますと・・
おばあさんは、「ビンは資源ゴミに出しますから、私が持って帰りましょう。」と。
結局、私はビールの空き缶の方を持って帰ったのですが、それとなく二人であたりを見回してみると、コンビニの袋に入ったゴミは、結構あちこちに放ってあります。
誰か一人がそういうことをすると、・・、他の人もしているから、自分がしてもかまわないのだ・・となるのでしょうか。公衆道徳を教えるべき大人がこんなありさまでは、子供たちにマナーは教えられませんし身にもつかないでしょう。ゴミの後始末に困ったときこそ、子供にマナーを教えるチャンスなのに・・・・。
ゴミを持ち帰ろうとしない大人が多いのなら、公園でも、せめて、ゴミ箱を設置してほしいと思います。
あちこちに缶や瓶を置き去りにして、平気でいる感覚に慣れてしまう人が増えてしまうのは困りものです。
 
でも、この上品なおばあさんのように、「このままでは公園に落ちたときに危ないし、公園を汚したくないから・・」とおっしゃって、一人で黙々とゴミを拾い、持ち帰られるような方がいらっしゃるのはうれしいことです。  こういう方にお会いして、一緒にゴミを拾いながら、とても清々しい気持ちになりました。
 
今日は天気が良かったせいか、あちこちの高校や中学校で、この河川敷を使ってマラソンの練習をしているところが多かったです。
息を弾ませ、苦しそうな形相で必死に走って来る姿を見ると、応援してあげたくなります。
思わず「がんばれ~」と声をかけたら、苦しげな顔が、一瞬にこっと笑って「がんばってま~す」と返事が帰ってきたのにはびっくり!  さわやかな中学生です。^^
 
春の桜之宮公園にて・・・桜のつぼみと、ゴミと、人間ウオッチングの一時間になりました。