上村松園展

京都の友人からのお勧めで、温泉学の翌日、京都近代国立美術館上村松園展を見に行きました。
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日本の代表的美人画の名手です。

上村松園に興味を持ったのは、奈良の松伯美術館(*上村松園その息子の上村松篁、孫・淳之、上村家三代の画家の絵を収集している)を訪れてから…。

三代とは言っても、個人的には、やはり母である松園が描く女性画が一番好きなのですが・・。
女性の美しさや優雅さが、丁寧な作業で描き込まれ、どの絵にも気品が感じられるところが魅力です。

京都で生まれ育った松園は、小さい頃から絵が大好きで、画学校に通いながら、先生にもついて、さらに、自分も博物館などに出かけて浮世絵や写生などを積極的に学んでいます。

自分の好きな絵に没頭し、若い頃から認められ、画家としての道を真っ直ぐに歩むことができた彼女は、大変恵まれていたといえるでしょう。

でも、師の教えどおりに写生の練習をしたり、絵の題材にするために、古典を学び、謡曲を習い…自ら学ぶ姿勢を、生涯忘れませんでした。

そうした努力を重ねていくので、若い頃の作品もきれいなのですが、

年代を追うごとに絵も円熟味を帯び、題材の幅も広がっていきます。

すごいと思うのは、明治 大正、昭和の時代を、全く流されずに、とにかく女性画一筋で

描いてきたこと。きっと、芯の強い女性だったのでしょうね。

これらの女性像は、モデルもあったそうですが、松園自身が、自分の理想の女性の姿として

描いたと言っています。きりっとした女性が多いのも彼女の生き方の反映かも知れません。


好きな絵を、絵はがきで、年代順に並べてみました。

代表作は、ほとんど50代以降に描かれたものばかり・・。
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「花がたみ」製作年齢47歳
これは、お能からとられた題材。愛する人との別れに気が狂い、舞う照る日の前です。
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顔は気がふれると無表情になることなど、表情の研究もしています。


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「母と子」製作年齢59歳
母が亡くなり、自分の母を偲んで描いたと言われています。
昔の作品と比べると表情も優しく、温かみがあります。(子どもは孫の淳らしいです)

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「序の舞」(代表作)61歳

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「待月」69歳 月は見えませんが、いかにも月を楽しみにしている女性の優雅な雰囲気と気品を感じます。

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[初夏の夕べ」74歳
絶筆となった作品です。
74歳にして、このような清澄な作品を描ける松園に感動します!



先日、久安寺で見た輝く紅葉のような生き方を、
              彼女の作品の中にも見たような気がしました。

 お好きな絵は、ありましたか??