「死から生を考える会その2」 エンディングノートの勧め

今回の『死から生を考える会』は
「混乱した社会の中で生きにくくなっている私たちは、
   逆に、死から生を模索することで、生きる意味や勇気が見出せるのではないか…?」
と、考えられたドニエプル出版社社長小野さんによる企画でした。

参加者の中では、エンディングカウンセラーの近藤さんと
「いのちと出会う会」を主宰されているIさんのお話が特に印象に残りました。

二人のお話を中心にまとめてみます。

エンディングカウンセラーとは・・
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こんなお仕事をなさっています。
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家族がバラバラに住み、近所とのつきあいも疎遠になっている今、
亡くなっても気付かれないままの、いわゆる「孤独死」という言葉が生まれました。

そして、先日も朝日新聞を賑わした、「家族代行」・・・
一人暮らしで、身元保証人がわからない場合は、病院も、施設も引き取ることができない

という実情があります。

連絡できる家族のない人や、身寄りのない老人などを対象に、身元保証から葬儀まで

家族の代わりを請け負う代行サービスが仕事として成立しているのです。

…大家族で住んでいた昔は、いつ死んでも誰かが責任を持って葬儀をしてくれたので、
個人が死を準備しておく必要もさほどありませんでした。
昔から、死は家族と共にあり、死も大切に扱われていたように思います。
それなのに…いつから人の死はこんなふうに孤独なものになってしまったのでしょう。
人と人との絆も考え直さなくてはいけない時に来ているような気がしました。

ともかく・・様々な事情で一人暮らしが増えている今、自分の死は、生きているうちに
考えておかないといけない時代になっているのです。

他人事のように言っている私も、子どもがアメリカに行ってしまい、今は一人暮らし同然。
一人暮らしは、身元保証人もきちんとノートに書いておくくらいでないと、
緊急時に、病院をたらい回しされる遠因になるということです。
さっそく、子どもが居ない間の保証人を友人に頼んでおきました。
知っておいて良かった!!

さらに…近藤さんからは、エンディングノートを書いておくようにとアドバイスされました。
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エンディングノートは、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
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万が一の時に備えて、家族への伝言などを書き留めておくものです。
死は、地震や交通事故、急な脳卒中心筋梗塞など、突然やってくることもあります。

こんな時のために・・・・
Ⅰ葬儀やお墓の問題、臓器提供や延命治療の希望の有無。

Ⅱ財産や相続のような現実的問題、

Ⅲ家族や友人達へのメッセージ

などを、前もって記録しておくノートです。

意識がない状態、体力がなく弱っている状態では、大切なことは伝えられません。

遺言書のような法的拘束力はありませんが、

自分の希望を前もって伝えておくことができるし、

残された家族や友人のためにもなります。

エンディングノートの良い点は、それ以上に、生前に自分の「死」に向き合うことになること。
死を前提に、自分の人生を振り返ってみると、自分のこれからの生き方にも
何か気づきが得られるような気がします。
これも、「死から生を見つめ直す」ことですよね。

人間は、死を意識すると、残された時間をどう生きるか? やり残したことはないか?
周りの人たちとのつきあいかたなども、見直してみると思うのです・・。

私は、小さい頃、交通事故を見てからというもの、しばらくの間、明日は自分も死ぬかもしれない・・
と思い込んでいた時期がありました。

すると不思議なもので、友達や妹とけんかをしても、その日のうちに、
なんとか仲直りしようと必死でした。
けんかしながら、死に別れをしたくなかったからなのです。
こんなことも、今、考えると、「死から生を考え直した」行動のように思えます。

Ⅲの家族や友人達へのメッセージは、周りの人に支えられてきた思いに気づけば、
これから先はきっと感謝の人生になるような気がします。
また、死を意識することで、今後の時間の使い方にも、自分の使命や役割を
見いだせるのではないかと思います。
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エンディングノートの様式は様々ですが、調べてみると一冊500~2500円で
販売されているようです。ネットから無料でダウンロードできるものもありました。
ネット上にも多くのエンディングノートが販売されています。
Amazonでは、購入者のコメントもあるので、参考になさってくださいね。


重たい内容が続きますが、次回はIさんからのメッセージ
「家族の死を乗り越える・・死は終わりではない」と言うテーマでまとめてみます。
私も、死は終わりではないと信じています。