毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」7月13日

7/13(水)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も毎日放送アナウンサー水野晶子さんの司会と、毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんの案内で放送されました。


 まず、菅総理脱原発について、「将来」脱原発を目指すと言うものです。ストレステスト指示の遅れを謝罪し、再稼動をやると言うのです。ヲイヲイ、です。何が、どう大丈夫なのでしょうか?(笑…で済むか!)。また、具体的な時期も言わず、次期政権に引き継ぐと言うものです。近藤さん、胸に落ちない、菅総理の思想、ベトナム原発を売りにいき、再稼動もあいまいで、外側を見ながらやっている、再稼動で海江田氏に同意して何日も立っており、原発の状況は変わっていない、首相の周辺が変わっているのです。


これを取材している神崎記者(東京報道で初のたね蒔き)のお話、菅総理は不機嫌そうであり、脱原発に具体的なことは全く言っておらず、電力不足など、核心に迫られると逃げる、考えていなくて言えない模様なのです。記者の突っ込みに答えていないのです。今日の会見は、アピールのためであり、今朝の朝日が原発ゼロの特集を組み、菅総理、朝日の記者と仲良くて、そういうアピール色の強いものだったということでした。見出しとしては原発依存を減らすと言うものの、中身は何も言っていないのです。近藤さんは、「一貫している」と菅総理が言っているもの、「語るに落ちる」と言うことで、支持率が落ちているのを気にして、思想が一貫しているというのは苦しいものなのです。


そして原発事故関係のニュース、福島の牛からセシウムが出たこと、姫路の業者にも納入されていたのです。ばら肉76kgで、返品されたものの、12の都道府県に流れました。


福島県高校野球の福島大会が行われ、部員の足りない高校は合同チームを組んでの出場です。朝、放射線量を測り、3.8マイクロシーベルト/時間を越えたら中止です。

幼稚園を休む、やめる子供が多く、1500人あまりが退園しています。スタッフが放射線量を測っています。


ソフトバンク孫社長、帯広に実験施設を作ると発表し、年内建設と言うことです。全国10箇所以上で休耕田で2万キロWの太陽光発電にするのです。35道府県で参加、近畿はすべて参加、福井は見送りです。原発50基分の発電ができるということです。


 そして小出先生のお話、菅総理の会見について、菅総理は福島事故の説明で「ステップ1は予定通りで進んでいる」と言い、小出先生は苦笑し、「とんでもない。安定的な冷却は出来ていません。」と。
菅総理、「冷却は大筋動き出して、汚染水を出さない冷却が進んでいる」と言っているのですが、
小出先生「根本的に間違えている。東電の工程表が出来た時はメルトダウンは分かっていなかった。冷温停止できると言っていたのに、工程表の全体が破綻し、冷却不能である。」
それを認めずに菅総理は、言っているのです。
小出先生「汚染水を出さない冷却も、ばかげた話で、12万トンの汚染水がたまって漏れている。大前提が違っている。」


 ステップ2を前倒しにして、元の地域に帰ることを具体化するというのですが、小出先生も「帰って欲しいが、汚染には手のうちようもない」工程表には関係ありません。
表土を削って汚染を除くこと、山林、田園、その他全てを剥ぎ取ることは不可能で、剥ぎ取った土の処分もある、学校、幼稚園は剥ぎ取るべきだが、全ての土地の土を剥ぎ取ることは無理です。


 近藤さん、保安院のダブルチェックも言っているものの、危険なものは何をやっても危険であり(小出先生も同意)、政府の責任と言うのも、事故に政府は責任を取っていない、どう信頼していいのか、菅総理の言うことに意味があるのかについてたずねられ、小出先生「菅総理、もうすぐ辞める、どうぞお好きに、パフォーマンスをやっても意味なし、期待できない」と切り捨てられました。


 中長期的な工程、廃炉に5~10年かかるとのこと、5年なんていうことで失格、廃炉には数十年かかる、チェルノブイリも石棺がボロボロ、福島は4基壊れてメルトダウン、地下に沈み込み、これの閉じ込め方は気の遠くなる作業がいるのです。


 地下に沈んだものの処理について菅総理は言及せず、小出先生は地下の囲いがいると言っても政府は何もしない。政治の世界は困ったものだというのが小出先生の所感です。


 続いて、86年に映画「24000年の箱舟」のプロデューサー、鵜久森(うくもり)典妙(のりたえ)さんのお話です。25年前、核廃棄物の実態を取り上げたものです。


 25年前の映画が今を映し出している、水野さん、25年前に見なかったことを後悔されています。


 鵜久森さん、それまで原発映画はほとんどなく、映画の準備の中でチェルノブイリが起き、この映画は33分ですが、核廃棄物がどこへ行くのか、誰も目にしていない、鵜久森さん、何を見せるかで、プルトニウムと言う名前を知っていても実物は見たことがない、24000年はプルトニウム半減期で、途方もない時間です。プルトニウムが体のどこに影響するのか、いろんな臓器にたまり(ヨウ素甲状腺セシウムは卵巣ですが、プルトニウムは入ったら半永久的に出ない、体内被曝は最大の悲劇)、最初のナレーションが、大滝秀治さんで、大阪まで来てくれて、少ないギャラで大滝さん出られました。「トイレのないマンション」と原発は呼ばれて、その答えがないまま始まっています。


 使用済み核燃料の行き場がないことを25年前に言っており、棒状のものを切って、処理できない、嵩を低くするしかない。核燃料を運ぶ車が普通の道路を走っており、日常の中に「核」があるのです。使用済み核燃料を日本に置けず、海外に置く、それを戻す映像もあるのです。イギリスで再処理して返す、戻さないといけない、大きな船で運ぶのですが、その船が事故、テロになったらエライことです。イギリスで処理したものを持ち帰る船を護衛しているのはフランスのもので、大変な批判を日本が受けていたのです。プルトニウムは原爆の材料で、原爆も、原発も同じ、平和利用という言葉に隠されています。


 広島、長崎の映像もあり、つながっているということです。


 鵜久森さん、普通に稼動しても死の灰が出る、世界で処理できない、恐ろしいことを「平和」と名乗りやっていたことを紹介したかったのです。近藤さん、鵜久森さんのことを「思想」と言い、86年に中曽根内閣でトイレのないマンションと分かっていてやったのです。プルトニウムをもう一度燃やすのは理論上できても恐ろしくてやってはいけないのです。


 25年前、フィルムで作ったが、今DVDになり身近に見られるのです。小さい会場、市民グループで見れる、そうして、見て欲しいと言うのが鵜久森さんの意図でした。


 マスコミも騒ぐが、製図できない、日常的でない、でも、恐ろしいものがある、今回の事故で、「放射能を甘く見てはダメ」、チェルノブイリも25年で何も解決していません。


 25年前のチェルノブイリでも世界は変わらなかった、今回も福島の教訓を世界が学んでいるのか、今回の事故も検証されていない、安全とは言葉のアヤであり、大間違いであると鵜久森さん言われました。


 事故の悲劇があり、「安全」、「平和」という言葉のあやではなく、本質を見て欲しい。
水野さんも、脱原発とは菅総理、違うと言われました。原子力だけが電気を作っているのではない、そういうこと(裾野)を広げ、独占企業ではない、人間の知恵が入ることにしないとだめとのことであり、電気止めると言われてみんな振り回されているが、電力会社は失礼である、プルトニウム死の灰を作らないように、ということです。


 この映画で、使用済み燃料の行き場なし、日本の原子炉は30基から54基になっていて、アメリカ、中国でも増えています。


 この映画、7/30に尼崎他で上映、DVDも販売されています。


 近藤さん、25年たち、数倍の価値になったと言われましたが、鵜久森さんは不幸なことで広がったと言われました。


 貴重なお話でした。