小出氏 「人間の価値は強いものに従うことではなく、生きることが困難なものに目を向けることができるかだ。

ベストセラー「原発のウソ」の著者で、東日本大震災以前から原子力発電所の危険性を訴え続けてきた京都大学原子炉実験所の小出裕章助教が13日、沖縄の西原町立中央公民館で「放射能と子どもたち」との演題で講演した。西原町立図書館の主催。約700人が駆け付け、関心の高さをうかがわせた。
京都大学原子炉実験所の小出裕章助教の講演会に詰め掛けた観客=13日午後、西原町立中央公民館
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 小出氏は政府が放射能の汚染レベルの安全基準値を設けたことに対して「安全な基準などない。放射能は微量でも危険だ」と指摘した。
 
 放射能汚染への向き合い方については「汚染された食料が出回ることは避けられない。子どもには汚染の少ないものを与えよう。給食も地産地消のものでまかない、福島や関東産は避けるべきだ」と語った。

 その上で原発事故で第1次産業が危機的状況にあることを踏まえ「第1次産業を守るためにも、大人は原発を許してきた責任に応じて覚悟をもって食べてほしい」とも呼び掛けた。
 原発と米軍基地の問題を重ね合わせ「米軍に従うのが国益だという人々が日本を治めている。
人間の価値は強いものに従うことではなく、生きることが困難なものに目を向けることができるかだ
原発の闘いと沖縄の闘いは同じだ」と力を込めた。
(琉球新報より)