環境省は、バグフィルターで放射性物質がほぼ100%(99.99%)除去できるから、家庭ゴミの焼却炉で放射能汚染された瓦礫を処理しても安全に問題はないと主張している。
よくあるご質問:「既存の焼却施設で災害廃棄物を燃やすと、排ガスからセシウムが漏れませんか?」
しかしどのような施設においても言えることだが、実際に出来上がった施設の性能は各施設毎に微妙に異なるため、製造・設置・調整したメーカーは施設を納品する際に「試験成績書」を提出して、仕様で求められた性能を保証しなければならない。
これは各自治体のゴミ処理施設でも同じである。
「廃棄物処理施設の発注仕様書作成の手引き」(環境省) 1-39参照
つまり「バグフィルターで放射性物質がほぼ100%の除去できる」ことが瓦礫を安全に広域処理できる前提になっているのであれば、瓦礫を受け入れて処理する自治体は「試験成績書」によってゴミ処理場施設(焼却炉やバグフィルター)の性能を保証する必要があるということだ。
もちろん、これらの施設が設置された際は放射性廃棄物を処理することなど想定されていなかったので、設置当時の「試験成績書」にはそうした試験項目などあるはずもない。
したがって瓦礫を受け入れて焼却したい自治体は、まずは焼却施設の追加試験を製造メーカーに行わせて、新たな「試験成績書」により「バグフィルターで放射性物質がほぼ100%の除去できる」ことを証明する以外に方法はない。
逆に言えば、「試験成績書」によって「バグフィルターで放射性物質がほぼ100%の除去できる」ことが性能保証されるまでは、そのゴミ処理施設では瓦礫は受け入れることはできないことになる。