環境省の作ったガレキ安全神話のほころび(1)

環境省の作ったガレキ安全神話のほころび 
http://onodekita.sblo.jp/archives/20120424-1.html
「院長の独り事 2012年4月24日」より転載(字数制限のため一部省略)

 放射能汚染されているとわかっているガレキを、何が何でも国民総被曝のために全国に拡散させようとしている環境省。住民の反発も強いようで、47都道府県はとりあえずあきらめたふりをして、次のようなスキームを出してきました。
11道府県市の優先を通知 がれき広域処理で環境省2012.4.24 14:50
 環境省は24日、震災がれきの広域処理を協力要請した35道府県と10政令指定都市に対し、受け入れの可能性が高い10道府県1市について搬入や処理に向けた調整を優先させることを文書で通知したと発表した。
 優先して調整するのは、宮城県のがれきについては茨城、三重、滋賀、京都、兵庫、福岡の6府県。岩手県分は北海道、新潟、富山、石川の4道県と千葉市。宮城、岩手両県知事には、23日に細野豪志環境相が方針を説明している。 福島県のがれきは、県内処理が原則。


 何度も述べていますように、宮城県岩手県のガレキは放射能汚染されています。
http://onodekita.sakura.ne.jp/sblo_files/onodekita/image/2012033102-thumbnail2.jpg
このようなガレキはいかなる場所であれ、燃やしてはならないのですが環境省は減容のために燃やすしかないの一点張りです。

 先日のブログで、環境省放射能のことをなんにも知らないことを明らかにしました。(
現地の実情を無視=遺体の含まれているガレキまで早々と広域処理がなされていた・・環境省説明会質疑応答から(熊本)2012年04月18日)まあ、何も知らないことははじめから明らかなのですが、なんと新聞記事にもなっています。

http://onodekita.sakura.ne.jp/sblo_files/onodekita/image/2012042401-thumbnail2.jpg

記事から
環境省は廃棄物やガレキの処理は担当するが、放射能に関しては技術的知見を持ち合わせていない
なるほど、だから細野大臣が、ガイガーカウンターでガレキを測定して大丈夫だと公言するわけですか。知らなかったわけですね。なるほど・・・

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 知らないと公言している知識で説明するモノですから、素人の前では平気でウソをつきます。
2012.4.19熊日朝刊から
http://onodekita.sakura.ne.jp/sblo_files/onodekita/image/2012042402-thumbnail2.jpg
講師は、環境省の廃棄物対策課長
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記事の中で『「セシウムは水に溶けにくい」と説明する』と書いています。セシウムの反応性をさすが全くご存じないらしい。勉強のために、こちらにご紹介しておきましょう。


ナトリウムよりも、反応性の高い同類の金属がなぜ、水に溶けにくいと説明できるのか。私には不思議でなりません。事実、次のような記事があります。

がれき焼却灰 神戸沖での処理めぐり足並み乱れ
 東日本大震災のがれきの広域処理をめぐり、「大阪湾広域臨海環境整備センター」(大阪湾フェニックスセンター)の対応に注目が集まる。兵庫県内の自治体ががれきを受け入れた場合、焼却後の灰の多くがフェニックスの神戸沖埋立処分場に運び込まれる可能性が高い。関西広域連合(連合長・井戸敏三兵庫県知事)は迅速な対応を求めるが、フェニックスは「実現にはハードルがある」と慎重な姿勢を崩していない。
 関西広域連合は3月25日、国より厳しいがれきの受け入れ基準を取りまとめた。だが、基準は陸での埋め立てを想定したものだった。放射性セシウムが水に溶けやすいため、国は広域処理では水と接しない埋め立て方法を紹介している。

 この国というのは、環境省ではないのでしょうかね?なぜ、同じ、役所で言っていることが正反対になるのでしょう。

 ガレキ広域処理による放射能被害が出た場合のことについて宮崎県が質問し、環境省が回答している文書がありました。
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広域処理についての質疑への回答(環境省
(1)焼却処理の安全性について
環境省が示した資料によれば、高性能排ガス処理装置(バグフィルター)で放射性セシウムはほぼ100%除去できるとあるが、逆を言えばバグフィルターに放射性セシウムが集積され、高濃度化する恐れがある。そうなった場合に、バグフィルターの交換作業や現場に従事する職員等の安全面への影響及び施設が放射能に汚染される恐れがないのか。また、そのような状況になった場合の国の対応はどうなるのか。

A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。また、逆噴射により定期的に放射性物質を含むばいじんを落としています。そのため、バグフィルターに放射性セシウムが高濃度に蓄積していくことは想定されず、追加的措置をせずに通常の処理方法で処理いただけると考えます。
なお、今回広域処理をお願いする災害廃棄物を既存の焼却施設で混焼した場合、その焼却灰の放射能濃度は8,000Bq/kgを大きく下回るものと考えられますが、万が一8,000Bq/kgを超えた場合は、放射性物質汚染対処特措法に基づき指定廃棄物として国が責任を持って処理します。

 放射能の知識はないと公言していながら、自信たっぷり。そして、8000Bq/kgを超えなかった場合には、自治体で処理せよと言っています。宮崎の地にこのようなモノを埋めて、水に溶け出したらどう責任を取るのですか?(もちろん、宮崎も聞いています)

(4)健康被害に対する国の責任について
放射能による汚染、健康被害は起こらないとの説明であったが、もしも起こった場合は、その対応や賠償については国が責任を負うと断言されるのか。

A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、通常の一般廃棄物として処理していただけるものであり、そのような事態は想定していません
 
想定しなければ、起きない。こんな詭弁が通用すると思っているところが、環境省です。なるほど、私が質問したときにも答えなかったはずです。もしも起きても、「想定外」として、言い逃れるつもりでしょう。
 
自治体の方、これでいいのですか。国は、なんの責にもとらないと明言しているのですよ