環境省の作ったガレキ安全神話のほころび (2)


環境省の作ったガレキ安全神話のほころび (2)

院長の独り事 2012年4月24日」より転載http://onodekita.sblo.jp/archives/20120424-1.html
環境省の作ったガレキ安全神話のほころび(1)http://blogs.yahoo.co.jp/sayuri2525maria/29970766.html
続きです。
(5)内部被ばくの影響について
環境省の説明では、放射性物質が発する放射線を人体の外から受ける場合について、即ち外部被ばくのみに対する安全性を説明されたが、がれき受入れに反対している大多数の人々が恐れているのは、内部被ばくの危険性についてである。処理中から処理後将来に渡り、生活環境中に漏出する可能性があるため、外部被ばくについてだけではなく、内部被ばくについての安全性についても、科学的
知見やデータなどをもって十分な説明をいただきたい。

A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。焼却施設や埋立処分場では、廃棄物処理法に基づき、排ガス処理、排水処理や覆土によって環境中に有害物質が拡散しないように管理が行われていることから、周辺住民の方にとって問題なく安全に処理することができます。そのため、災害廃棄物の受入れにより放射性物質が生活環境中に高濃度に漏出することは想定されません
一方、広域処理によって住民の内部被ばくが増加する心配はありません。1000Bq/kgの廃棄物を焼却した場合に排ガスが拡散し、周辺住民がそれを吸入することによる内部被ばくは、年間0.00002ミリシーベルトと極めて低いレベルにとどまると評価されています。
(出典:災害廃棄物等の処理・処分のシナリオに対する線量評価結果の整理(平成23年11月15日 日本原子力研究開発機構)) p32~43
なお、我が国においては、平成23年12月22日に「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ報告書」が取りまとめられており、この中で、国際的な合意に基づく科学的知見によれば、放射線による発がんリスクの100mSv/年以下の低線量被ばくでは、発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとしています。

 
証明するのが難しいから、被害が起きないはずはありません。発がんリスク以外にも様々なリスクがあるのに、証明するのが難しいからオレは知らない。単純に言うとそんなことです。実効線量当量を使えば、被害が起きないと証明するのは、「科学的には」簡単なことです。
(8)セシウム以外の放射性物質について
セシウム以外の核種(プルトニウムストロンチウム等)については、環境中に放出された量としては、セシウムと比べて微量で、積算実効線量が極めて小さいとされているが、少量とはいえ、本来環境中に出ないはずの核種を無視して大丈夫なのか。

A.プルトニウムや放射性ストロンチウム等については、これまでの調査の結果、放射性セシウムに比べ、積算実効線量が非常に小さく、安全面での影響が十分に小さいと考えられます。このため、これらの核種について計測等を行う必要はないと考えています
ストロンチウムは一切測っていない。測らなければ、健康被害など起きるはずもない。そうなんですか?
放射能に関して、特に内部被曝に関しては何もわかっていないに等しいのに、このような暴論でもって、自治体を説得しようとするとは、一体環境省は、誰のために仕事をしているのでしょうか。そして、この言葉は、環境省が出した正式文書です。私には腹が立ってたまらないのですが、こんな知事がいるのも事実です。

風評被害、全力で阻止 知事、がれき受け入れで強調

 震災がれきの処分場を県内三カ所につくる計画に、水産業などの風評被害を懸念する声があがっていることに、大村秀章知事は二十三日の定例会見で「風評被害は起こさせないことに全力を尽くす」と強調した。県内の市町村長には「皆さんも『東北を応援しよう』と言っておられた。そのことをふまえて、協力していただきたい」と呼びかけた。詳細は次の通り
放射能汚染の恐れがあるがれきの受け入れで、風評被害対策をどうするのか。

 (放射能検査をして)ほとんど問題のない数値のものを持ってくる。土をかぶせれば、数値はゼロになるでしょう。それでも何か言うなら、言いがかり。誹謗(ひぼう)中傷ですよ。風評被害は起きないし、起こさせない

 まあ、この知事もお役人出身ですから,国に言われたことを脊髄反射でするのが得意です。
ですから、内部被曝を全く無視します。たしかに外部に漏れ出る線量は、殆どゼロになるでしょう。
しかし、燃やすときにセシウムを外部にまき散らし、徐々に漏れ出るセシウムは、環境に必ず害を与えるのは間違いありません。その時、どう責任を取るというのでしょうか内部被曝は想定していないとでも、言い逃れるつもりですか。今は、ネットの世の中。すべて行動は記録されていることをお忘れなく。

環境省が、もしガレキ安全神話を作りたいのなら、原発安全神話を作った東電に弟子入りすることをおすすめいたします。
http://onodekita.sakura.ne.jp/sblo_files/onodekita/image/2012042404-thumbnail2.jpg
服部拓也氏(当時 発電部副部長)現 日本原子力産業協会理事
 絶対安全だという今で言う安全神話みたいなものがまかり通っている時だった。そういう意味でおおっぴらに(安全対策を)検討することすらはばかられた。相当安全に対する防御の厚みは熱くしたという風に思ってしまった。「いや もっとこんなことがあるのではないか』という議論が不足していた。
 自分がお作りになった安全神話に騙されたと、平然と言い放つわけですから、環境省の方々、そのコツを学ばれてはいかがでしょう。幸い今は東電にはおられないようですから、助言してもらえると思いますよ。


 天皇陛下が、「天皇陛下は村井知事との間で、がれき処理が話題となり「危険なものも含まれているんでしょうね。アスベストとか」「十分に気を付けて処理をされるよう願っています」と作業員の健康を思いやった。」と言われたことを、よもや忘れていませんよね。愛国心にあふれる政治家たちは・・

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