毎日の食品のセシウム摂取量は1ベクレル以下に!

 
低線量被曝者の会共 同代表で「低線量被曝の脅威」(J・マーティン・グールド著 緑風出版 2011年)の訳者でもある、竹野内真理さんは、週刊金曜日10月14日号に「ベラルーシから フクシマへの警告 放射性セシウム内部被曝の真実」の論文を寄せています。
この中から竹之内さんはセシウム137を1日10ベクレル食物から摂取していくと、700日(ほぼ2年)で体内のセシウム137の濃度が1400ベクレルを超す、というグラフを 紹介しています。これは放射線防護委員会(ICRP)が作ったグラフです。

資料1 セシウム137を一度に摂取した場合と、毎日1ベクレル、および、10ベク
レルを1000日間摂取した場合の全身放射能の推移(ベクレル)。ICRP PUBLICATION 111 2009

セシウム137は体重1㎏あたり10ベクレルくらいから、子どもの心臓の筋肉細胞(心
筋)の病気を引き起こす可能性があることが言われています。(ユーリ・バンダシェフ
スキー教授)
 
子どもではセシウム137が体重1kgあたり20-30ベクレルくらいで不整脈観察され、体重1kgあたり50ベクレル/kgでは生命にかかわる臓器が病気になり、命が危険になると彼は報告しています。

 つまり、10歳で体重15kgの子どもであれば、10×15=150ベクレルのセシウム134、 137合計を蓄積しただけで心臓疾患にかかる可能性がある、ということであり、
 20×15=300 30×15=450 300~450ベクレルのセシウム134、137合計を蓄積しただけで不整脈になる可能性がある、ということであり、
 50×15=750 750ベクレルのセシウム134、137合計を蓄積しただけで命にかかわるということです。

 先に紹介した放射線防護委員会(ICRP)が作ったグラフによれば、毎日10ベクレ
ルの食べ物を摂取し続けた場合、200日で体内のセシウム137が1000ベクレルを超えます。
 
このグラフには毎日1ベクレルを摂取した場合も記載してあり、この場合は200ベクレルのすぐ下で安定していきます。

 毎日の食品の摂取量は1ベクレル以下するべきであると思います
 
文科省の学校給食40ベクレル/㎏以下という判断はこの放射線防護委員会(ICRP)が作ったグラフを参考にしなかったのでしょうか?
いえ、恐らく考慮したのだと思います。実は、「これくらいの放射線は安全です学派」の専門家たちは、自然放射線カリウム40が体内にあり、これに比べるとセシウム134、137の放射線濃度そのものが小さいから、健康に影響がない、という議論をしています。カリウム40は天然に存在する放射性物質であり、バナナにも含まれています。体重60kgの人間では体内に4000ベクレルのカリウム40が存在します。体重15㎏の子どもではその4分の1 1000ベクレルあるということです。これと比較して、「カリウム40がそもそも1000ベクレルあっても健康に影響がないのだから、セシウム134、137が合計で1400ベクレルくらいあっても健康に影響がないはずだ」
と判断したのだと思います。

 決定的な誤りだと思います。チェルノブイリ事故後のベラルーシウクライナ、ロシ
アに生きる人々の健康被害の治療にあたってきた医師たちは、カリウム40と比較にならないくらい、セシウム134、137の毒性が強いことを報告しています。先に紹介した、ユーリ・バンダシェフスキー教授はこの事実を学会で報告した後、「汚職」を理由に投獄されました。
アムネスティー・インターナショナル等の働きかけで釈放されましたが。
 
11月19日に来日された、ベラルーシの医師、スモルニコア・バレンチナ先生は、鼻血について以下のように語っています。
1.吸い込んだ事での直接鼻粘膜への影響
空気中の放射性核種→ 土壌→ 浮遊→ 鼻→ 炎症→ 鼻血
2.吸い込み+食事で、体内に回り細胞膜が破壊されることでの影響
食べ物→ 胃→ 腸→ 肝臓→ 血管破壊(血管がもろくなる)→ 鼻血
 上記の1.2のとも鼻血が出る可能性があります。空気中に放出されたストロンチウムなどの核種はいったん、土に落ちて、風に舞って浮遊して、鼻から入っていきます。
鼻血が出るということは、鼻から肺に入り、肺がんの危険性もあります。血管がもろくなっている可能性もあり、循環器系の疾患になる可能性もあります。なので、あまく見てはいけないのです。
          (11月23日野呂美加さん主催の医師向け学習会より)

 父が広島で被爆した被爆2世の方は、「広島では子どもが鼻血を出すと親は本当に心配した」と語っています。肥田舜太郎先生は「鼻血と下痢の2つがあったら、内部被曝を疑った方がよい」と語っています。
 体内に放射性物質を入れるべきではありません。

 まずは、40ベクレル/㎏以上の学校給食を出さないために、すべての食材を数ベク レル/kg以下にするべきです。NaI(TI)シンチレーション検出器で、検出限界が3.7ベクレル/kgのというAT1320という機械があります。市民放射能測定所(crms)が導入し、郡山市福島市、神奈川県、等々で市民の力で食品の検査を行っている実績がすでにあります。

市民放射能測定所(crms)
http://www.crms-jpn.com/

 すべての食材の放射能汚染濃度を測定し、各食材を数ベクレル/kg以下(できるだけ0ベクレル/kgを目指す)に抑えるべきであると思います。
 
参考:川根眞也先生のブログ 内部被曝を考える市民  
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給食だけの話ではなく、私たちの食卓も、できるだけ、1ベクレル以下を目指すように気をつけましょう