坂本龍一が大飯原発再稼働反対への曲を公開

坂本龍一大飯原発再稼働反対への曲を公開、Shing02大友良英

7月1日、日本全国の原子力発電所が停止している中、政府が安全基準をクリアしたと主張する福井県大飯原発が再稼働する予定となっているが、その反対運動に同調して、坂本龍一が「再稼働反対!」というシュプレヒ・コールをサンプリングしたトラックを公開。さらにShing02大友良英をこのトラックに迎えて新たに発表するという。

これはtwitter坂本龍一のマネージャーアカウント、本人の公認アカウントを通じて発表されたもので、音楽ストリーミング/共有サービスのsoundcloudで「大飯原発再稼働に反対する人々の結束を!!」とコメントされたgunonayuta名義のトラックを公開。各地の原発反対デモや首相官邸前抗議などで叫ばれる「再稼働反対!」というシュプレヒ・コールをループした上にキーボードの悲しげなコードが重なる曲で、7月1日夕刻現在、「Work in Progress」(制作進行中)となっている。また、このトラックにさらにShing02らを迎えるともツイートされている。

大飯原発は災害時の安全対策について、免震棟などの非常設備もないことが指摘されているにもかかわらず、今後数年をかけて整備するという前提で再稼働の強行が決定された。これを受けて7月1日に予定されている起動に抗議する一般の人々が、6月30日午後から大飯原発に入る一本道を封鎖。警察とのにらみあいが続いている。また、東京 新宿をはじめ全国各地で再稼働に反対する抗議デモが行われている。

坂本龍一、封印された反原発訴える故忌野清志郎の曲セッション

オルタナ 6月25日(月)11時36分配信
ミュージシャンの坂本龍一さんが、本格的に「脱原発」の運動に動き始めた。7月7、8日に幕張メッセ国際展示場で行われる音楽イベント「NO NULKES 2012」に両日出演する。

同イベントの公式サイトによると、坂本さんの「脱原発をテーマにした音楽イベントを行いたい」という呼びかけに賛同したミュージシャンが結集する。「アーチストが『脱原発』というメッセージを発信することで多くの音楽ファンに原発に対する関心を強めてもらうことがこのイベントの目的」(公式サイトのNO NUKES 2012事務局の挨拶)

小山田圭吾斉藤和義元ちとせ七尾旅人ソウル・フラワー・ユニオン大友良英など、各日9組のミュージシャンが出演予定だ。心憎いのは、「忌野清志郎スペシャルセッション」の企画だ。

坂本さんと親交の深かった故・忌野清志郎は、1988年にRCサクセションとして発表予定だったカバーアルバム「COVERS」で洋楽に反核・反原発を訴える日本語詞を載せたことで発売中止にされた。

その後、キティレコード(現・ユニバーサルミュージック)から発売されたが、この一件は発売元の東芝EMI(当時。現・EMIミュージック・ジャパン)の親会社である東芝原発の建造を請け負っていたことから、「圧力がかかったのでは」と噂になった。

そうした経緯を知って東芝製品を避ける不買運動に走るのも、「脱原発」運動の一つだ。しかし、それ以上に自分の言いたいことさえ封殺されかかった忌野の無念さ、悔しさを今回のステージで晴らしてほしいと願うファンは多いだろう。

もっとも、往年のテクノファンにとって目を引く出演者は、YMO以前からテクノ音楽を発表してきたKRAFTWERKクラフトワーク)かもしれない。彼らがYMOと競演するこのイベントは、音楽イベントとしても十分に価値がある。

そのうえ、このイベントの収益は、「さようなら原発1000万人アクション」の中心である「『さようなら原発』一千万人署名市民の会」(東京・千代田)に全額寄付される。質の高い音楽を楽しむだけで、「脱原発」の声が高まる。そんな仕組みが国内外にもっと増えてほしい。(今一生)