「洗脳された羊の群」の背後にある命題

c a t * * _ 2 5 j * p a n  様のブログより転載させていただきます。

「洗脳された羊の群」の背後にある命題

 
先日の名古屋で行われた全国意見聴取会で、中部電力の課長の発言「福島では事故で直接の死者は一人も出していない」と、さらに記者のインタビューに対して「原発を止めたら日本がダメになる」と発言していたが、いまだ避難生活を続けている福島の被害者の方々や、農薬や化学肥料を使わない有機農法などで希望を持って生活していた優秀な農家の農地や豊富な魚介類が獲れる海を汚染されて、働く場所を奪われ希望を失って、自ら命を絶たれた方々が少なからずおられ、避難に伴う環境の急激な変化によるストレスから、介護施設におられた人々が命を落とされたりと、直接的、間接的影響で、死んだ方々が数多くのぼる。子供たちは、被曝を避けるために、外遊びを制限されて肉体的にも、精神的にもマイナスの影響を受けている。被曝の危険があるかもしれない給食の摂取の忌避をめぐって、人々の間に軋轢が生じてもいる。まだ、ほかにも様々な苦難は数え切れない。
 
そのような状況を目の当たりに突きつけられて、正常な心を持っている人間であるならば、中部電力のこの課長の発言は、非常に忌々しく、決して許してはいけないものである。
 
では、中部電力の課長がそのような発言を、全国にテレビでも放送されるような公式の場で何故するのかを考えてみると、(沖縄以外の)全国電力会社に限らず、大手原発プラントメーカー、大手ゼネコンなどの、少なくとも原発に関連する部門に置かれた従業員は、社員教育という洗脳(マインドコントロールによって、企業に飼いならされた「従順な羊」状態にあって、従業員である限り、そのマインドコントロールの)呪縛から逃れられないでいるということだろう。
 
経済産業省やエネルギー庁の官僚についても、同じことが言えるのではないか。
 
福島第一原発事故という世界中を震撼させるような重大事故を起こしながら、その事故からまだ1年少ししか経過していない状況で、被災者や避難者がどれほどの辛酸に苦しみ、耐えて日々を暮らしているか想像すらできず、原因究明、検証もないままに、収束を宣言し、原発再稼動に突き進む無神経の政府や官僚、関連業者の存在と、その組織の人間のこのような発言の背後には、一体何が横たわっているのだろうか?
 
相変わらず、日本を支配している層の深部には:
日本の産業と軍事(核武装)を発展させるためにはいかなる国民の抵抗や多少の犠牲をだしてでも、原子力を進めなければならないという基本的な命題がある。だから、福島第一原発で事故があって、犠牲があっても意に介さないのだろう。これは、支配者層は危険から遠くに自らの身を置き、数知れぬ国民の犠牲の上に乗っかって(国民を踏み台にして)戦争を戦った考え方と同じである。決して許してはならない。
 
この基本的命題の上にたって、経済産業省の官僚も、原発関連企業に勤める原発関連社員も、入省、入社以来ずっと、「原発は危険ではない。安全だ」「原発は日本の経済的発展には必要不可欠」と呪文やお経のように、繰り返し、繰り返し唱えさせて、脳の髄にまで浸透するよう洗脳して来た結果の現れが、先の中部電力の課長の発言なのだろう。
 
指名手配を受け、長い間逃亡生活を送っていたオーム真理教の信者が、今なおマインドコントロールの呪縛から逃れられなくなっていたが、彼らもまた、原発関連の省庁や企業の組織の中に身をおいた瞬間から、おそらく、世間の一般常識から隔離されたその部門や組織にだけしか目を向けない視野狭窄のマインドコントロールが始まるのだろう。
 
そうでなければ、テレビで自説を仮面の如く平然と述べる元東芝社員で北海道大学教授となった奈良林直氏のような奇矯な人物がいること自体理解できないだろう。(例えばの話で、類似の人物は大勢いるに違いない。)
 
¥¤¥᡼¥¸ 2