さてはてメモ帳さんのサイトより
http://satehate.exblog.jp/19534955/
<転載開始>
 
 
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Feb 12, 2012  グローバルフードシステムと呼ばれる世界の食料貿易動向および穀物メジャー企業の実態­についての調査研究の第一人者である、ブルースター・ニーンさん、キャサリン・ニーン­さんから、TPPについて、日本の人たちへ送るメッセージ

ニーンさんからビデオメッセージ

日本語訳文(
(字数の都合で若干省略しています.)
 皆さん、こんにちは。 TPPの背景と、それがもたらすものについての討論会へようこそおいでくださいま した。この会が、皆さんに多くの情報を提供できる有益な場となりますことを 願っております。私たちは、日本のTPP参加に関する賢明な判断に貢献できることを願っています。
 
レイが私に代わって講演を始めるにあたって、一言、付け加えたいのが
TPPは パートナーシップと呼ばれていますが、実際には、人と人、国と国が公平で正しい関係を結ぶことを唱えるものではないということです。

 他の貿易協定と同様、TPPは、企業が好きな場所で事業を展開できるよう特権を与 えるものです。“パートナー”国となれば、そのような企業の特権を認めて、そ の権利を守らなければならないのです。
 
モンサントカーギルのような多国籍企業と国々との関係は植民的で、 実際、植民地支配をする側、される側の関係になってしまうと言った方がより正確かもしれません。(引用注:特にISD条項故に) 日本を含む各国は、企業のための保証人や執行者といった役割を担うことになってしまうでしょう。

TPPの目的は、人々の幸福ではなく、企業の幸福なのです。
日本にとって、この貿易協定に参加するということは、コメを含めた食糧自給の完全な放棄を意味し、カーギル社は喜んで、テキサスかカリフォルニアからコメ を輸入してくれるでしょう。
豚肉でも牛肉でも、合衆国やおそらくカナダから、 カーギル社は喜んで輸入くれます。またニュージーランドも、日本が必要とする 乳製品をすべて輸出してくれるでしょう。

しかし、TPPはそれにとどまりません。学校給食や医療などを含むあらゆる公共事業において、外国企業が入札へ参加できることを認めなくてはならなくなります。日本は、外国企業を日本企業と同様に日本国籍を有する法人であるかのよう に扱わなくてならなくなるのです

TPPの最も重要な側面の一つは、遺伝子組み換えや特許種子問題への影響です。
今 日、世界の食糧消費の大半が、自家採取した種子を使って小規模農場で栽培された作物である一方、モンサントシンジェンタのようなほんの一握りの種子を取 り扱う巨大企業が、作物の遺伝子組み換えや特許を利用して、グローバルフード システム(世界の食糧市場)の支配を手中に収めようとしている。
TPPは、この目的 達成を手助けするために企図されたものなのです

モンサントの種子は環境に配慮した農業のためのものではありません。工業的で、生産に多大なエネルギーを消費し、単作のために作られたものであり、企業の利益を除けば、だれにとっても災いをもたらす代物です。

TPPは健康や環境に関する安全基準を引き下げ、それを国際基準として統一しよう とするものです。その意図は、医薬品や遺伝子工学の分野においても、企業の 乗っ取りを助長するものなのです。 カナダでは、企業の利益が守られる範囲で規制が策定されているとさえ言われて います。さらに政府は、適切な試験もせずに、全ての新しいバイオテクノロジー 製品を認可しようとしています


 地球の裏側のカナダでも、現政府は企業のために尽くしており、TPPは、やはり日 本と同様、カナダにとっても悪い結果を招くものなのです。 カナダはこれまでに、いくつもの貿易協定参加してきました。そして、今、TPPと CETA(EU・カナダFTA)への参加協議を行っています。

CETAとは対ヨーロッパ との協定で、内容はTPPと同じものです。いずれの場合においても、カナダ政府は 国民の不安を無視しようとしてきたことは明らかです。 国民が黙ってさえいれば、政府にはそういうことがやれてしまうのです。そし て、反対者を追いやって、計画を実行できるのです。

今日の会が、日本人がTPPによって被る本当の危険とは何なのかを理解する一助と なることを願っています。

また、皆さんの地域社会や組織の中で問題意識が高まり、政府のプロパガンダに対して声を上げるための手助けとなれば、と期待しています。

食糧主権に関心を寄せる世界各国の人々と声を合せ、企業による食糧システムの 統治や支配は、だれにとっても良くないことであると、訴えてほしいと思いま す。
食糧主権とは、私たちが、私たち自身の持つエネルギーを使って、地域規模の食糧システムを構築することです。またその経済は、公平さを持ち、環境に優しく あるべきです。世界のあらゆる地域で、同じように食糧主権と新しい経済に取り組む人々との繋がりを意識しながら。

私たちは、貿易よりも、人々のための食糧安全保障が優先される日が来ることを望んでいます。大切なのは、家族が十分食べた後で残りを市場へ持って行くとい う考えで、地域の人々の生活が優先されるシステムなのです。 最後にもう一度、会場にうかがえなかったことを、心からお詫びし、お招きいた だいたことを感謝申し上げます。

ブルースター&キャサリン・ニーン 2012年1月12日 カナダ オタワの自宅にて

続く