小出裕章ジャーナル「原発は、発送電分離をすれば必ず潰れる」

小出裕章ジャーナル、新年度、今回は原発の基礎知識を。
原発の基本についてリスナーの声に答えます。
 
原発は、なぜ危険なのか?
原発と火力の違い
 
発電は蒸気でタービンを回して発電する、200年も前からある古い装置。
火力は石炭、石油、天然ガス化石燃料を燃やし、原発はウランを燃やす。
原発を都会に作らないのは、原発はウランを燃料にして、ウランはもともと放射性物質、危険で、「核分裂をさせてエネルギーを取り出すと放射能が1億倍になり」、核分裂生成物(放射性物質)が大量に出すから
おまけに、蒸気機関の一種なのにたいへん効率は悪く、「発生させた熱の1/3しか電気にならず、2/3は日本だと海に捨てるばかげた装置
海に熱を捨てるのは、海水を敷地に引き込んで捨てる→海水を温める、無駄になるエネルギー
原発は出来た熱の2/3は捨てており、小出先生の恩師の、東大原子核研究所の水戸巌さんは
原発ではなく、海暖め装置と呼べ」と教えられた。
作られた熱のメインが海の暖め、電気はサブ
これを小出先生水戸さんから教わり、物事をちゃんと見ないといけないと知ったのです。
 そんな効率の悪い海暖め装置が日本に54基も・・。
 
他の選択肢もあるのになぜ原発を進めたか?
 
電力会社は金儲けが基本の目的。
皆さん、物を買うのに安いものを選ぶが、電気は選べず地域独占電気代は総括原価方式電気事業法による)、普通の企業なら自分の努力で儲けるのに、電力会社は法律で儲け方が決まっており電力会社の持っている試算の何%を儲けていい=資産を持つほど儲かる、法律が保証する。原発は1基4000~5000億の巨大な資産=作ると自動的に儲かる、「電力会社は動かずとも原発を作ると儲かる」のです。

 経産省、7年後の発送電分離の答申について、課題は変わるか?
「それが出来たら原発は絶対に潰れる。今のように「原発を作ると電力会社が儲かる仕組みは止めないといけない
 
 
世田谷、電力の自由化と地産地消をめざす保坂世田谷区長さんの話
原発に頼らなくていい社会を作るべき。世田谷から日本を変える。
地域でできることはたくさんある。エネルギー転換は地域が主役、 責任と具体案を持っていたら実行できる。
世田谷発の電力自由化、シンポジウムで2つの柱、地産地消(太陽光)、価格を安くして取得しやすくした。南相馬、被災地の土地を使い、自然エネルギーを開発、その電力を世田谷が買い取れないか。PPS(特定規模電気事業者)、電力を売れる。去年春、世田谷の半分でPPS入札をかけて導入、庁舎、学校の大口導入で大変な反響で、海外のメディアも来た。施設を163箇所に増やして、電力料金を圧縮できた。一般家庭もうちもやりたいとなり、一般家庭で電力を選べないかと、枝野大臣に要請して、去年答申を出してもらい、2月に電力システム改革の方針が出来て、世田谷で先行的にやれるようになり、勉強会、シンポジウムをやった。作る側ではなく、使う側からの養成で、いい電気なら高くても買う人が出来ている。有機農産物を高くても買うのと同じ、これを一般家庭に普及する。家庭、中小企業にも興味があり、ビジネスセミナー、民間がやり、世田谷でエネルギーを変えるチャンスにする現場がないと変わらない。変化を促進する力が地域にある。  
 保坂さん、1市民、1地域の人としてどうすべきかについて語られ、民主主義の土台、みんなの意見で合意形成をする新しい形の、議会・政治との関係をつくる。
責任と提案によるものを作らないといけない。地域は民主主義の学校。
 
来週は、今西憲之さんの司会でおしどりさんがゲストで放送されます。