小出裕章ジャーナル「メルトダウンの原理/マスコミに出るのは原子力村ばかり&福島の子ども達(おしどりさんの報告)

 (永岡さんの書き起こしの要約)
今週のゲストは吉本の芸人さんのおしどりさん、マコさんとケンさん,夫婦漫才コンビです。
ケンさん大阪生まれ、ヨーロッパも回られて、マコさんは神戸の灘で生まれて、医学部に行かれたのに、阪神・淡路をきっかけに大学を辞めました。
病気・怪我がないのが健康ではなく、明るく笑えるのが健康と言われるのです。
 
 おしどりさんのマコさん&ケンさん
マコさん、医学部で細胞、遺伝子工学も学ばれて、チェルノブイリのこと、がんのことも学ばれています。
東京に2011年引っ越して3ヶ月で地震原発が爆発し、東京は風向きによっては危なくなる。3号機爆発で東京もやられると思い、ブログで調べたことを書き、お母さんたちにブログを見てほしいと、東電の会見に出られるようになりました。
 
福島原発の大規模停電について
 
 3月18日の停電で、使用済みプールの冷却が止まり、復旧まで29時間、
停電したのを発表に3時間かかり、マコさんがねずみによるショート、信頼性向上の計画、原子炉のシステム(心臓部)について聞いたら、東電はシステムにバックアップがなかった!ということ。
また、東電は「事故」なのに「不具合」、「事象」と言っており、ケンさん、原子力ムラは事故を小さく見せたい。復旧するのに作業員が線量の高いところで迂回して作業して大変な被曝をしたのに、その被曝量をまだ東電は言っていないのです(怒)。

 小出裕章ジャーナル
小出先生の電話でのお話。
2011年3月12日の1号機爆発時、メルトダウンについての小出先生の解説
原発はウランを核分裂させて出る熱でタービンを回すが、事故の際核分裂は比較的容易に止められるが、それまでに出た核分裂生成物の崩壊熱は止められず、核分裂を止めても、炉心に放射能があると発熱し、それを止めないと(冷やし続けないと)メルトダウンする「それが原子炉の宿命」。

 1号機オペレーションフロア、原子炉は炉心が中心にあり、圧力容器に入れて、さらに格納容器(フラスコ型)にいれ、これが最後の防壁なのに、格納容器+原子炉建屋(四角い建屋)の最上階がオペレーションフロアで、爆発=メルトダウンの関連性、爆発の原因は水素で、水素は軽く、漏れたら建屋の最上階に集まる。1号機も最上階で爆発し、それは水素爆発であり、水素はどこから出たのかというと、ウランの燃料を瀬戸物に焼き固めていて(ペレット)、それをジルコニウムという金属のパイプにつめており、しかしジルコニウムは850度になると水と反応して水素が遊離する、炉心が850度を超えて、ジルコニウムが水と反応+これは発熱反応で、反応により熱が出る→さらに温度上昇、どんどん温度が上がりジルコニウムが拍車をかけて水と反応して水素が出て、ジルコニウムはウランを包んでいたので、ウランも温度上昇で融けるのです。
原子炉の教科書どおりのことが起こったが、事故当時、小出先生のような解説はなく、「マスコミに出させてもらえるのは原子力ムラ=推進側」、「事故などない」、「炉心は融けない」と言っていたので、融けていると言いたくなかった。(泣)

 おしどりさん「4つの報告書で全部ジルコニウムのことが書いてあり、
小出先生の言うとおりになった。」と言われて、
「炉心が冷却できなくなり、水位計もアウト、致命傷。この対策は困難、通常の状態ならどこでどれくらい泡が出るか(水の沸騰)を計算できるが、事故時にはムチャクチャになって把握できない。どんな状態になっているか正確に分からず、事故時の水位は分からない。通常はわかるが、事故になったらおしまい、「スリーマイルでも水位計があったのに、役に立たず、原子炉内に水はあったはずなのに、実際はなかった。
小出先生の基礎的なお話でした。
 
 福島事故と子供たちの放射能の影響について  (おしどりさんの報告)
 
福島事故と子供たち、放射能の影響について、
茨城、千葉、栃木も汚染地域で、福島だけではない
福島の子供の放射線はケアしているものの、それ以外の汚染地域のケアはされておらず、福島以外は県として動かず、自治体独自で動くところもあり、土壌、子供の尿を調べても、情報公開しない=対策が分からない。おしどりさんの危惧されるのは、ガラスバッヂ(放射線量計)、積算線量を出すが、福島県内は子供たちが全員つけているのではない。文科省が予算をつけただけで、村長、町長が判断しないとつけない、子供が放射線を気にするとよくないと、つけていないところの方が多いのです。
 
放射線、客観的に測らないといけないのに、がんばろう福島と、精神論で言っても、放射能には勝てない。測定してちゃんと測らないといけない、本当は「がんばろう測定」であり、福島の被爆はレントゲン1回の被曝量、東京-ニューヨークの被曝量と同じというのは嘘。レントゲンは日本が一番被曝しており、日本もレントゲンも被曝管理(レントゲン手帳)するようになっているのに、ウソを言っているのです。被爆は受ける可能性があるのにケアされず、医療被曝は言いにくいが、お金儲けしたい医者もいて、要らないのにレントゲンする場合もあり、それがダメ、来たから1回撮ろうはおかしい。みんなが情報を共有すると要らないのです。
 福島の子供たちのデータ、いろいろな数値があり情報公開して、子供たちも将来分散するので、データベース化しないといけないのにやっていない
動きはあるものの、どこまで公開するかは密室+自分のデータを自分で保管できない、子供たちの甲状腺検査で、結果は何もなしとか文章だけで、エコーの画像はなく、自分の検査結果は情報公開請求しないと出てこない、「エコー検査は医療ではなく調査」。あいまいに、ごまかされているのです。
 
実際、甲状腺での実情は、マコさん、2月の検査で、平成23年度のエコー検査、悪性の可能性もあり、10人は手術がいる。3人の手術した人をマコさん知っていて、比較的線量の高いところにいた家族で、住んでいる地域はプライバシーで公表できないが、線量を公表してくれと言っても、これを公開しない。
それでいて被曝との因果関係も分からないと言うのはおかしい。東電の問題は情報公開しないところにあるのです。    

福島、飯舘村で暮らしている方の声。
放射能汚染された村の相沢さんのお話でした。飯舘村原発から直線で30km圏内に少し入るものの、全体は40~50km、故郷を失うとは思わなかった。
今も現実なのかと思い、おしどりさんも飯舘村に行かれて、ガラスバッヂ、相沢さんが線量を聞いたのは2011年3月15日の朝で、40マイクロシーベルト/時間と高い。0.3マイクロ以上は除染が要るのでとんでもない数字です。
避難指示は、国からあったのは4月11日、テレビの報道で知り、計画避難指定は20日以降であり、子供にガラスバッヂ、2011年度は一貫して配られず、保護者は配って欲しいと村に要求しているのに、2011~2012年、村の懇談会で保護者が要望しているのに配られないのです
WHOも子供のガンの危険性を指摘し、福島民報は大丈夫と書くものの、子供たち、4月に避難するまで、村として計画避難の完了は8月であり、飯舘村の子供たちは仮設の学校を作ったのに、飯舘村からバスで通わせたのです。飯舘村、今も何も進まず、2年経っても変わらず、前に進まないとおかしいと全国で思われているのに、立ち上がるところまで行っていない。
人生で違う展開もあり、どこか違う土地でスタートするやり方もあるものの、飯舘村の復興も止まっている。そのために、情報公開をして、いろいろな人がいろいろなことを言うが、当事者は誰か、加害者が誰かがあいまいなのです。
 今週も1時間はあっという間です。マコさん、これからも東電会見に行かれます。マコさん水俣病の取材もされて、全国での会見にも行かれて、発信しているのです。おしどりさん、これからも応援しています。