ラジオフォーラム6月29日 その2 浜矩子「ドアホノミクスを語る」

永岡です。
ラジオフォーラム。今週のゲストは同志社大大学院教授の浜矩子さん、
アベノミクスを批判されているその模様を語られました。
日本は長らくデフレに苦しみ、安倍総理、金融緩和と財政出動による政策で、産業界からアベノミクス支持の声もあり、石丸さんは株もやらず景気の実感なし、それについて、浜さんのお話を聞きます。
 浜さん、アベノミクスを批判され、一言で言うならドアホノミクスであり、賛否両論のあるアベノミクス、生意気と浜さん言われて、エエ格好しすぎ、傲慢、これで全てうまく行くというのはおかしい、芝居がかったフレーズで煙にまく姿勢の誠意のなさが気に入らないのです。

 安倍政権、財政出動、金融緩和、成長戦略というのであり、円は下がり、78円→95円、株も8000円→13000円、輸出産業に恩恵があり、浜さんはバブルを作り出し、バブルで人々が浮かれて問題を抹殺する作戦であり、バブルでデフレを制する、危険なやり方(毒をもって毒を制す)、舞い上がり感で全て隠蔽するものの化けの皮が剥がれる、頼りにしていた市場が安倍氏の意図と違う方向になっているのです
 警告にも安倍氏らは耳を貸さず、逆襲に出ているが、なりふり構わず何でもやるのが怖いのです。

 デフレをバブルで解消することは出来ない安倍氏はデフレを放置して、バブルの風船を膨らませて、しぼんだ日本経済を天高く舞い上がらせるものだが、デフレ風船は膨らまず、バブルばかりが膨れ上がり、いずれ爆発して我々が痛い目に会う。経済の仕組みでは、バブル=デフレ解消にはならないのです。

 給与も上がらない、物価も上がらない
、国際社会からも何とかしろと言われて、財政出動=公共事業であり、浜さんこれについて、有効ではない公共事業を景気対策にするのは古臭い。焼け跡経済から立ち上がるなら道路、橋を作って効果はあったが、更地に出発なら効果はあるのに、日本はインフラも充実して、さらに橋を作っても経済は元気にならないのです。

 
金融緩和、市中にお金を流すため国債を日銀が買うもので、見返りに現金を流し、すごいスケールであるもの、市場に現金を流してバブルを起こし、バブルになっているが、設備投資、賃上げにはなっていない。株価は上がり、儲かる人も出ているが、企業が儲かるかは株価と違い株価の恩恵はごく一部、儲かった人は高額商品を買うが、大半の人の行動は変わらず、バブルの破綻時には恩恵を受けなかった人も痛い目にあう。
 
浜さん、5月にアベノミクスの真相』という本を出されて、日本に必要なのは成長ではなく成熟、分かち合いの精神。
 
もし浜さんが首相ならどうするか?
 
ハマノミクスは3つあり、成長→分配、奪い合い→分かち合い、中央→地方に、になり、豊かさの中の貧困問題が解消されるべき
 
安倍氏はデフレ脱却というが、浜さん日本に蓄えがあり分かつべきと言われて、金持ち増税、消費税を上げるのでも金持ちの買うものは税率を上げて、必需品はゼロにすべき、効率的に分かつには地域共同体が経済を回す主役になるべき。
 
今を奪い合い経済と浜さん言われて、市場占有率を高めるのが安倍氏の政策、世界一になることがあるが、それは奪い合いの発想、世界一を奪うのは日本に必要ではない。豊かさが分かち合えていない。豊かさを幅広く渡らせたら消費も広がり、おちこぼれをなくすのが必要。奪い合いで解消はない

 安倍政権はこのままだと経済は縮小するとして、軍備も含めて拡大させるが、今の日本経済の現状は突っ走ることしか考えないので後ろ向き。
安倍氏は日本を取り戻すと言うが、過去の再現は卒業すべき。
日本国民は豊かさを感じず、富の偏在を感じ、日本社会は経済だけでなく成熟し、40~50代のものであり、無理やりカンフル剤を打つ必要はない。
 日本の財政危機、これについて浜さん、やらないといけない。
財政はいざという時にレスキューになり、屋台骨が揺らぐとまずい。そのために消費税増税も税収の上がることは必要で、歳出の無駄を省き、できることをやり健全にすべき、真剣に力を入れて、いざという時に対応すべきなのです。
 リスナーからの質問
最悪、円安+消費税増税社会保障削減のトリプルパンチになり、庶民はどうしたらいいのかについて
 
アベノミクスを徹底的に無視して、おかしいとのメッセージを出すべき、それを伝えないと安倍氏、最悪に突っ走る。そんな方向に行くなとはっきり示すべき。気分が良くなるからいいのではないのです。アベノミクスの煽りに乗らないことです。   
 もう一つのテーマ、ブラック企業に関して、大阪のNPO法人「はたらぼ」の中嶌聡(あきら)さんのお話がお電話でありました。ブラック企業、最低限も労基法も守らず労働者を使い捨てにする企業が社会問題にあり、中嶌さんのお話です。
 
 ブラック企業の定義、明確なものはないが、法律も守らない企業+労働者と経営者の対等性が崩れている企業であり、本来労働契約は経営者と労働者が対等であるべきで、しかしブラックでは経営者が一方的に押し付けるものなのです
 
過労死者を出した大手居酒屋チェーン、人気アパレルメーカーが問題視され、中嶌さんが相談に乗ったのは、太陽光パネルの営業で産学連携の会社、24歳の男性が求人票にウソがあり、携帯の電波調査なのにノルマがあり、営業のアポを何件取れたかという形毎日話があり、給与も18万と言っていたのに、実際は営業成績で給与を社長が決めるもので(本来は労使で決めるべき)、法律違反であるのです。
 職場で、残業が多い、サービス残業、過労死、パワハラ、いじめがあり、長時間労働、29歳の大学院卒の人が入った飲食店(中国・四国・近畿に展開)、給与19万5000円と言っていたのに、4店舗を立ち上げさせられ、月120時間残業=休みなし、その他200時間の残業!もあり、本来なら時給1000円でも20万もらえるのに、時給8万も残業代が入ったものであり、時間給は最低賃金すら割る状態であったのです。
 ブラック企業が社会的に問題になり、はたらぼは8月から本格始動したくて、いい会社(ホワイト企業)もあり、いい会社を啓発してブラック企業に人が行かなくなるようにしたい。雇用基本宣言を会社にさせて、労基法に合ったものであり、残業手当が給与に含まれるなら文書で提示しないといけない、ブラック企業と対峙するホワイト企業を知らせてブラック企業を淘汰したい。今、就職活動をする人に聞いて宣言をまとめているのです。   
 石丸さん、浜さんのお話を聞いて、共感されたのは成長戦略ではなく成熟戦略であり、安倍氏は成長だ、取り戻すと言うが、日本は現状とても豊かで、人間に喩えたら20代ではなく50代、分かち合いで豊かになると言う点でした。
皆さんはアベノミクスとハマノミクス、どちらを選ばれますか?
来週は湯浅誠さんの司会で放送されます。