70年談話に先駆けて、「侵略」が消えた

70年談話に先駆けて、「侵略」が消えた

維新が与党になると、こういうコトが起きるんです…

ピースおおさか、消える「侵略」表現 4月再開の展示案 (朝日:2015年1月28日)

全面改修のために休館中の大阪市中央区の平和博物館「大阪国際平和センター」(ピースおおさか)が、4月の再オープン後の新たな展示の最終案をまとめた
日本軍による捕虜虐待などの展示を取りやめるほか、日中戦争などの説明では改修前に使っていた「侵略」という言葉がなくなっている

案では「大阪空襲と人々の生活」「15年戦争(満州事変~日中戦争~太平洋戦争)」「平和の希求」の三つの展示室を六つのゾーンに再構成。大阪大空襲の被災や戦時下の大阪の暮らしの展示を拡充する。

特に一部の大阪府議・市議から「自虐的」と批判があった「15年戦争」は、ゾーンの一つ「世界中が戦争をしていた時代」に衣替え。「中国大陸への侵略」「東南アジア諸国の受難」などの表題の説明パネルや日本軍の加害行為に関する写真、資料数十点の展示は取りやめる

代わりに日清・日露戦争から敗戦に至るまでの経緯を動画で紹介。ナレーションでは、1937年に始まった日中戦争での中国側の被害について「侵略」との言葉を使わず、「日本軍による南京事件重慶爆撃では多数の住民が犠牲となった」と説明する。一方、開戦直後、北京近郊で日本人居留民らが犠牲になった「通州事件」など中国側による日本人民間人の被害について新たに触れる。

朝鮮の植民地化についても改修前の展示はすべて取りやめ動画のナレーションで「朝鮮では日本統治に対する抵抗運動が拡大する中、植民地化を進めた」「(戦争中)動員され、厳しい労働条件下で働かされた」とのみ紹介。「戦地・占領地で性的苦役を強いた」と説明していた慰安婦については、触れない。

一方、大阪大空襲の展示について当初計画では、子どもたちが中に入って振動などを体験する大型防空壕(ごう)(複製)の設置を予定していたが、「防空壕(ごう)が命を救ったという誤解を与える」との空襲体験者からの批判を受けて改める。

最終案は今後、専門家による監修委員会が表現の細部を検討し、正式決定する。岡田重信館長は「最終案についてはコメントできない。現段階では、展示内容は確定しておらず、今後も監修委員会に精査を続けてもらう」と話している。

〈ピースおおさか〉 戦争の悲惨さを次世代に伝え、平和の尊さを訴えることを目的に大阪府・市が1991年に開設。設置理念で「中国をはじめアジア・太平洋地域の人々、また植民地下の朝鮮・台湾の人々にも多大の危害を与えたことを、私たちは忘れません」と掲げ、戦争の被害と加害の両面を展示する全国でも珍しい公的施設として知られたが、全面改修のために昨年9月から休館中。一部の府議や市議が「自虐的」などと批判していた加害行為の展示を大幅縮小し、戦時下の大阪の暮らしや大阪大空襲の被災などを展示の柱として4月に再オープンする。

地方自治体がつくった施設では、全国でも珍しく「日本の加害展示」もあったピースおおさか(大阪国際平和センター)が

大幅に展示内容を見直すことになりました

その見直しは、端的に「日本の加害展示」をほとんどなくす…というもんで

この見直しに主導的役割を果たしたのが、大阪市と府で与党をしている大阪維新の会です

(→要するに、橋下徹くんの強い意向が働いてるんです
「リバティおおさかとピース大阪の統廃合と、自爆史観資料館(仮称)の
建設は橋下氏個人による政治の私物化だと思う」(
afternoon cafe)参照)

そして、この記事では「一部の府議や市議が「自虐的」などと批判していた」という、

極めてボカした表現になってますけど、これらの議員の多くは言うまでもなく維新の会所属であります


維新の会が与党になると、ピース大阪にあった日本の加害展示がどんどん削られ、

「侵略」という言葉も消されてしまう…

それは、安倍自民党が与党になると、

教科書から「侵略」や「強制連行」という文字が消えていくのとおんなじ話…

(だから、あの人たちは同じ穴のナントカ…なのね)




※記事中に、「世界中が戦争をしていた時代」という展示ゾーンが儲けられる見通し…と出てます

これは、「日本だけが戦争をしたんじゃない」…という、

(侵略)戦争責任の「相対化」「希薄化」を目的にした展示ということになります

この点に関して、植民地にしても戦争にしても、「日本だけがしたんじゃない」という抗弁?が

よく、ウヨくんたちの間から聞こえてきますけども

そういう人たちは、世界で「戦争をしなかった国」あるいは「植民地を持たなかった国」の方が

圧倒的に少ない…という基本的な事実には目をつぶっていらっしゃるようです


言うまでもなく、「植民地をもった国」より「植民地にされた国」の方が圧倒的に多かったし

自ら進んで戦争を仕掛けた国の方が圧倒的に少なかったんです

だから、「世界中が戦争をしていた時代」にあっても、

実は、戦争をしていたのは(戦争を仕掛けたのは)ごく一部の国だけ…で

そのごく一部の国のなかに日本が入ってる…ということなので

「世界中が戦争をしていた時代」という表題は

「日本が世界中に戦争を仕掛けた時代」という風に言い換えた方が

より事実に即した言い方になると思います


また、これも言うまでもないことですが、

日本以外の国も植民地を持っていたじゃないか、

日本以外の国も戦争をしてたじゃないか…という「つまらない抗弁?」は

日本に植民地支配された国や日本の侵略を受けた国の人々に対しては

何の抗弁にもならないどころか、そういうコトを声高に叫べば叫ぶほど

日本が自己の行為を反省してない証拠…と思われるだけです

したがって、「世界中が戦争をしていた時代」という展示ゾーンを設けることは

「過去を反省しない日本」をさらに印象づけるコトになるでしょう