再批判 自民党改憲案(14)「排除」されるべき“案”
再批判 自民党改憲案(14)「排除」されるべき“案”
今回でこのシリーズは終了です。
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しんぶん赤旗 2016年5月29日
日本国憲法前文の第1文は、(1)国民主権と代表民主制(2)自由主義・人権尊重主義(3)政府による戦争の阻止・平和主義を宣言しています。主語は「日本国民」であり、国民が憲法をつくりだすことを明らかにしています。
「改正」には限界
厳格な改憲手続きで憲法の最高法規性を担保したうえに、その厳格な手続きを踏んだとしても「改正」には限界がある―。「個人の尊厳」を中核に、人権尊重と国民主権、徹底した平和主義の諸原理を「改正の限界」と宣言しているのです。「憲法制定の根本目的が改正権限を制限する」とも説明されます。
立憲主義の構想は、二重三重に個人の尊厳と自由を守る、人類の深い知恵を含んでいます。
基本原理を否定
これに対し自民党改憲案は、「個人」とその尊厳という立憲主義の根本を消し去り、天皇中心の国家の継承を強調。天賦人権思想を排除し「公の秩序」優先で人権を制約します。平和主義の核心である戦力不保持規定(9条2項)を削除し、無制限の武力行使を可能にします。さらに生存権保障のための大企業への規制は否定し、地方自治も破壊する―。日本国憲法の基本原理を乱暴にじゅうりんする内容です。