老朽 高浜原発1・2号機の運転延長は認められないと16団体が共同声明
老朽 高浜原発1・2号機の運転延長は認められないと 16団体が共同声明
声明は、元原子力規制委委員長代理の島崎邦彦氏が熊本地震のデータから、「入倉・三宅式」を用いて基準地震動を策定すると過小評価となり、日本の地震データを基にした「武村式」と比べて4分の1の過小評価となるため、「入倉・三宅式」は使うべきではないと警告しているとし、また、高浜原発1号機は、全国の原発でもっとも原子炉圧力容器の中性子による脆化が進んでいて、廃炉が決まっている玄海原発1号より脆性遷移温度は高く、事故時に自動冷却用の水を注入すれば圧力容器が壊れる危険があると、具体的に指摘しています。
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2016年6月20日
高浜原発1・2号機の運転期間延長認可に抗議
本日(6月20日)、原子力規制委員会は、関西電力高浜原発1・2号機について、40年超えの運転期間延長認可を下しました。福島原発事故後、運転期間を原則40年に制限する制度が導入されたあと、延長の認可がだされた初めてのケースになります。私たちはこれに強く抗議します。
老朽炉の寿命延長に対し、これを危惧する声が広がっています。しかし、審査の公開資料は白抜きだらけで、第三者による検証はできず、初の寿命延長審査にもかかわらずパブリックコメントも実施せず、住民や市民、自治体等の意見を聞こうともしませんでした。6月13日、私たちは、熊本地震によって懸念された「繰り返しの揺れ」問題などの評価について、国会議員の仲介により、会合を申し込みましたが、原子力規制庁は「多忙」を理由に異例の拒否。6月15日には要請書の受け取りすら拒否しました。老朽炉の危険性を具体的に批判され、それが公になることを恐れたからでしょう。このように、議論を避け、密室審査を続ける姿勢に怒りを禁じ得ません。被害をこうむる住民の意見を無視するなど到底許されることではありません。
福島原発事故を受けて、原発の運転期間は「原則40年」と決めたはずです。原子力規制委・規制庁はこともあろうに、老朽化した原発の実態も把握せず、認可ありきで審査を急ぎ、審査ガイドを破ってまで、期限内の認可を強行しました。福島原発事故の教訓を葬り去り、事故を再び繰り返すことは断じて許されません。
元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は、熊本地震のデータから、「入倉・三宅式」を用いて基準地震動を策定すると過小評価となり、日本の地震データを基にした「武村式」と比べて4分の1の過小評価となるため、「入倉・三宅式」は使うべきではないと警告を発しています。これはまさに高浜1・2号に当てはまる問題です。同時に、各地の裁判や運動の中で、市民が主張してきたことでもあります。規制委・規制庁は16日に島崎氏から意見聴取を行いました。しかし、その警告を無視するかのように高浜1・2号の運転延長を認可しました。
老朽化した高浜1・2号の特有の危険性が具体的に明らかになっています。電気ケーブルの劣化により事故時に絶縁性が急低下し、制御ができなくなる恐れがあります。しかし、規制委・規制庁は具体的な判断基準も持たずに、関電のいいなりです。
高浜原発1号機は、全国の原発でもっとも原子炉圧力容器の中性子による脆性破壊が発生し易い原発です。廃炉が決まっている玄海原発1号より脆性遷移温度は高く、事故時にECCSの水を注入すれば、圧力容器が壊れる危険があります。やはり中性子の照射により炉心の金属板を留めるボルトにひび割れが生じている恐れがありますが、まともに検査すら行われていません。
<16団体>