トランプ大統領との会談は、会うも地獄、会わぬも地獄、である
トランプ大統領との会談は、会うも地獄、会わぬも地獄、である
いよいよあす安倍首相は訪米に出発する。
「今度の日米首脳会談は会うも地獄、会わぬも地獄だ」 これは、今度の訪米を前に、安倍外交を支える側近議員が語った言葉であるという。鈴木哲夫という政治評論家が、発売中のアサヒ芸能最新号(2月16日号)で教えてくれている。
地獄というのは極端にしても、安倍首相にとっては思わぬ誤算になった訪米に違いない。
当初は、安倍首相にとって大きな点数稼ぎになる訪米であり、日米首脳会談のはずだった。しかし、トランプ大統領の正体が明らかになるにつれて、思惑は完全に外れる事になった。最大の誤算は、大統領令の乱発による愚策によって、トランプ大統領への内外の反発が高まったことである。
安倍首相が日米首脳会談する時点では、その相手は、米国憲法に違反した大統領となる。
「法の支配」を強調する安倍首相が、自国の憲法を公然と無視する米国大統領と会談し、中国に「法の支配」を守れと迫る。これ以上の矛盾と皮肉はないだろう。
しかし、そのほかにも、安倍首相を悩ます理由は数多くある。
ひとつは、すべて自分が一人で決めるというトランプ大統領の独裁的手法だ。これによって官僚たちの出る幕がなくなった。
訪日直前というのに、議題や日程が確定せず、行き当たりばったりとなった。何が起きるかわからない首脳会談になった。文字通り安倍首相の力量が試される事になったのだ。
それに加えてトランプ大統領の正体が明らかになった。
大統領になったら現実的になるだろうという楽観はすっかり外れ、いまやトランプ大統領は、滅茶苦茶な対日要求を突きつけてくる大統領となった。おまけに聞く耳を一切持たないことが明らかになった。安倍首相に勝ち目はない。
しかもトランプ大統領はウソのつけない正直者だ。だから安倍首相がどんなに会談結果をごまかそうとしても、トランプ大統領のほうから本当のことを話す。トランプ大統領は自分の手柄を強調したいから、なおさら本当のことをしゃべる。首脳会談後の共同記者会見では安倍首相はまる裸にされるだろう。
安倍首相を苦しめる最後の理由は、今度の安倍・トランプ会談を世界が注視して見ているということだ。