生まれつきの髪の毛の色を他の色に変えるように強制すること」は 法務省も認める「人権侵害」

<損賠訴訟>「髪染め強要で不登校」高3、大阪府を提訴(毎日:10/27)

 ◇「頭髪生まれつき茶色」

 頭髪が生まれつき茶色いのに、学校から黒く染めるよう強要され精神的苦痛を受けたとして、大阪府羽曳野市の府立懐風館高校3年の女子生徒が約220万円の損害賠償を府に求める訴えを大阪地裁に起こした。27日に第1回口頭弁論があり、府側は請求棄却を求めた。生徒は昨年9月から不登校になっており、「指導の名の下に行われたいじめだ」と訴えている。

 訴状などによると、生徒は2015年4月に入学。中学時代に黒染めを強要されて嫌な思いをしたため、母親は「高校では同じことがないよう配慮してほしい」と伝えていた。

 しかし、学校側は生徒の入学後、1、2週間ごとに黒染めを指導し、2年の2学期からは4日ごとに指導。度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はぼろぼろになった。教諭から「母子家庭だから茶髪にしているのか」と中傷されたり、指導の際に過呼吸で倒れ、救急車で運ばれたりしたこともあった。文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかった。

 生徒は昨年9月、教諭から「黒染めしないなら学校に来る必要はない」と言われ、それ以降は登校していない。高校は今年4月、生徒の名前を名簿から削除。他の生徒や保護者には、退学したと虚偽の説明をしたという。

 学校側は生徒の代理人弁護士に「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせることになる」と説明している。

 府教委高等学校課と同校は取材に、「係争中なので答えられない」と話している。【遠藤浩二

 ◇地毛登録制度導入の学校も

 複数の大阪府立高校では、頭髪が生まれつき茶色い生徒に誤った指導をしないように、「地毛登録」と称する制度を導入している。登録自体を問題視する声もあるが、府教委は「導入は各校に任せており、実態は把握していない」としている。

 ある府立高では、約10年前から制度を始めた。地毛が茶色い生徒は入学時に色合いを計測し、数値化して登録し、色の変化がなければ指導しないという。1学年に10人ほど登録する生徒がおり、校長は「生徒の人権を守るためにも制度を続けている」と話す。

 訴訟を起こした女子生徒の母親は入学時、「地毛登録制度があるなら申請したい」と訴えたが、懐風館高校は導入していなかった。

 東京都でも、都立高校の一部が「地毛証明書」を提出させ、頭髪の色が生まれつきかどうかを確認している。幼少期の写真を求める学校もあるといい、都教委は7月、「届け出が任意であることを、生徒保護者に明確に伝える」ことを全191校に通知した。

この記事のなかにはいろんな問題が詰まってて、何から書いていけばいいのかわからんぐらいです


まず、この記事のなかには「地毛登録制度」という奇怪な仕組みのことも出てきてますけど

ぼくは、なぜに高校生は「黒髪でなければならない」のか…が、そもそもわかりません

なぜなら、基本的に、人間が自分の身体をどないするか…は、「自己決定権」の範囲に属する話なので
そんなこと、他者が口出しすべきもんではないと思うからです

でも、人間の身体には「他者に見られる部分」もあるところ
高校生の黒髪校則なんかは、そういう趣旨で定められてると思いますが

ここで、高校生に「黒髪」を強制できる…とする側は、結局のところ、
人の身体に関しての自己決定権よりも、「他者(=規制する側)の受ける印象が優先する」と考えてるだけ…です

つまり、この立場を思いっきり単純に言えば、
「アンタの自己決定権よりこちらの印象(≒心情)が優先するのよ」と言ってるだけ…でありまして
これほど自己中心的な立場もない…と、ぼくは思うのです


もちろん、高校生の身体に関しては、
「精神的に未成熟な高校生のために、大人がいろいろ考えてあげなければいけない…」という、いわゆる「パターナリズム」に基づく配慮も必要だ…という意見もあるでしょうし
(高校の)校則なんてもんは、この「パターナリズムを根拠にした規則集」とも言えるでしょう


もともと、黒髪校則の趣旨は、黒髪を他の色に染めると非行につながる…とか、学校の雰囲気が悪くなる…とか、学校の評判が悪くなる…とか、そういう口実からだと思うんですけど、
ここで大事なのは、
もともとの黒髪を「他の色に染める」という行為に「非行性」を見出してる…
もともと髪の色が黒くない生徒にまで「黒髪に染める」ことを強制する…というのは
「アナタの生まれ持った身体的特徴は(社会的に)容認できない」という烙印を勝手に押した上で
勉強の機会や学校行事参加の機会まで奪う…という、
「学習権そのものを奪う…という明らかな人権侵害」+
「人の身体的属性に対する偏見に基づく人格攻撃」をしているところでありまして

これは「悪意」の発露としか思えないのであります
(言うとくけど、こんなこと、パターナリズムで正当化でけへんで…)


学校がここまで頑なに一人の生徒を攻撃し排除する…というのは
もはや「病的」でさえあると思うところですが、
彼ら学校側が、この生徒の生まれつきの茶色い髪を黒髪に染めさせることで「守ろうとしているもの」は
結局、「学校の評判」という、「彼らの利益」でありこそすれ
「黒髪を強制される生徒の利益」ではないことははっきりしているわけで、これはいかなる意味においても正当化できるものではありません


※この学校は、あろうことか、生徒の代理人弁護士に
たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせることになる」と説明している…とのことですが
もし、そんなことを強制するならば、人種差別として国際的な大問題になるでしょう

また、茶髪禁止(≒黒髪以外禁止)という決まりがあるくらいだから
この高校には「パーマ禁止」(≒ストレートヘア以外禁止)という決まりごともセットであると思うところ

もし、生まれつきアフロヘアの外国人生徒が留学してきたとして
そのアフロヘアをストレートにするよう強制するならば
これまた、人種差別として国際的な大問題に発展することでしょう

(もちろん、天然パーマの人は外国人には限らないのだけどね…)


このように、生まれ持った身体的特徴(属性)を否定すること」は、差別そのもの…でありまして

このような説明をしている学校は、もはや、教育機関としては極めて不適格なところであり

かかる指導をしてきた教員は「指導不適格教員」として、

人権教育の講習からやり直すべきでありましょう



「生まれつきの髪の毛の色を他の色に変えるように強制すること」は

法務省も認める「人権侵害」
ですので、この件に関する答えはとうに出ております↓
高校などで地毛が茶色いから黒染めを強要されている人は、法務省の「子どもの人権110番」に相談して。私も長男のとき相談したら黒染め強要は「人権侵害にあたり、教育委員会に話をして。それでもダメなら法務省が調査する」といってもらえました。 子どもの人権110番http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html …
(ひとさまのtweetより)





※「黒髪の強制+生まれつき茶髪の生徒への黒髪強制」が

「なんでそんなことすんのか、ワケわからんがな…」と報じる海外のメディアもこんなにある↓
生まれつき頭髪が茶色の高3女子生徒に対し黒く染めるよう強要し、不登校にまで追い込んだ高校、提訴された大阪府。モラル云々依然に、もはや意味がわからない次元の話として世界中で報じられている。日本の学校当局は時代錯誤の甚だしい価値観を子どもに押し付け、傷付けているということを知るべき。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20171030/20171030122730.jpg
(ひとさまのtweetより)