星林月船(1)

 月の満ち欠けを見るのが好きで、家では旧暦(太陰暦)のカレンダーを毎年買っています。

今日2月21日は・・・旧暦では1月8日。

ゆえに、昨日は1月7日・・・七草がゆ

太陽暦では朝早くの出勤で忙しく,食べ損ねた私は、

昨日は、陰暦に戻り、ゆったりとお粥をいただきました。

ちなみに,2月14日バレンタインデイは旧暦の1月1日・・・つまり新年です。

心新たに・・もう一度新年になった気分で・・居住まいを正し、新年の抱負を再考してみた

り・・・お餅を食べたり・・

このように、時には、1年の行事を二度楽しむこともできます!!

でも、なんと言ってもおもしろいのは、やはり月の満ち欠けの様子がカレンダーとぴたりと一致し

ていること。(太陰暦は月を中心とした暦だから あたり前なんですが・・^^)

月の初めは朔といって、月が太陽と同じ方向にあって見えないとき・・つまり新月です。

それから、二日月、三日月・・と、細い眉のような月が、船の形のような月に変化していき、

やがて月の半ば15日で、ほぼ満月になります。つまり十五夜

それから、十六夜、立ち待ち月、居待ち月、寝待ち月と楽しめますが、

月の出が遅くなるので、ここからは朝早くに月がまだ残っている有り明けの月が見られます。

昨日は,七日目の月で、月の船の形も大きくなって・・五人くらいは乗れそうでした(笑)

今晩も晴れていれば、大きな半月に近い月の船が見られるはずです。

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さて、表題の「星林月船」。

はじめてこのことばと出会ったときは、なんてロマンチックな言葉!

と、この言葉のとりこになりました。

これは、柿ノ本人麻呂歌集にある歌で、万葉集の巻七にもある歌の一部をとったものなんです。


 天(あめ)を詠む

 天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ

 解釈すると・・天の海は大空をたとえたもの。海原のように広い天の雲は波・・・。

そこに見えるのが月の船。雲間から見える月の船が、たくさんの星の林の中を

ゆっくりと漕ぎ隠れてゆくのが見える・・・・

・・・ ただそれだけの歌なのですが、

毎晩見ている星や月に、一度だって,そんなことを考えてみたこともない私は、

古代人のスケールの大きな想像力に感嘆したのでした。