法律で決められた安全基準を無視する政府

福島の子どもたちへの被曝安全基準20ミリシーベルトは、法律で決められた基準を無視して文科省が勝手に決めたものです。

チェルノブイリでは5ミリシーベルトでも即、避難する基準です。

さらに事故は終息せずに、まだ大量の放射性物質を出し続けています。


もしも、国会議事堂が福島原発のそばにあったら・・・・

もしも政府や高級官僚の自宅が、福島原発のそばにあったら・・・・


こんな子どもを危険に晒すような20ミリシーベルトという数値を出すはずありません。


福島の人々の苦悩が分かっていないようです。

特に、母親は子どもを守りたいと思っています。

小さい人ほど、放射線の害を受けやすいのです。


武田先生のブログで、法律で決まっている安全基準と、政府の発表とを比較してみてください。

武田邦彦中部大学教授の「原発緊急情報」
この「特設スタジオ」で、(1)から読めます
http://takedanet.com/




原発 緊急情報(61) 数値は一つ! 医療、職業、一般


「どのぐらいの被ばくまで大丈夫か?」と多くの人が疑問に思っています。メディアも「数値が多くて何が正しいか判らない」と言っています.


でも、数値は一つしか無く、考え方も一つしかありません。

それは、すでに「日本の法律」で決まっていて「原子力放射線の専門家」が3月11日まで「これが正しい」と行ってきた数値です.

だから、そこで定められた数値は「原子力安全委員会」や「文科省」でも変更することはできませんし、まして、何も関係も権限もない「保安院」などはその数値と離れて「健康に影響が無い」などと口を挟むことはできません。つまり、

1.一般人 1年1ミリシーベルト以下

2.職業人 1年20ミリシーベルト以下(特例あり)

3.医療  放射線あびる損失が治療の効果を下回る範囲

4.管理  3ヶ月で1.3ミリシーベルト以下

  ということです。これしか数値はありません。


 この数値が「間違っている」という人(政府、安全委員会、文科省、専門家、パフォーマンスをする人など)は、何らかの理由で「ウソ」を言う必要がある人です.

この数値については、法律で決まっているぐらいですから、当然ながら十分な根拠があり、このブログでも示してきました。

そして、「福島原発事故が起こったから、日本人が急に放射線に強くなった」ということはありません。

「俺は原発の近くに行って被ばくしたが何ともない」とか「汚染された野菜は美味しいと頬張る」などはまったく別のことで、「ダマシ」の種類です.

上記の数値以外は考える必要もなく、他の数値を言う人はすべて「ウソつき」です。


・・・・・医療関係者に自粛を求める・・・・


福島原発事故が起こると盛んに「レントゲン」が例に引かれ、さらに放射線量が上がったので、今度は「CTスキャン」を持ち出しました。


「医療用被ばく」に「規制値」が無いのは理由があります。それは「医師が壊疽が進んでいる患者の足を切断しても良い」というのと同じです.


この世の中でほぼ唯一、医師には「人間の体を傷つけて良い」という特例があります。それは「傷つける事が、その人の全体のために良い場合」であり、「このまま壊疽が進んだら死んでしまうから、それより片足を失った方がまし」ということであり、「健康なのに足の切断手術をして良い」ということではありません。


ところが、被ばくの例として「CTスキャン」を持ち出したり、ある医師会などは「医療における放射線使用の上限」として自主的に定められている限度をあたかも「一般の人が被ばくして良い限度」のように発表しています.その医師会に所属する医師は、「医師が特別な行為ができる権利」を失ったと考えられます.


医師にあるまじき事で、殺人罪にもなりそうなことです。


・・・・・・・・・


福島県に住んでいる子供達は「健康な子供」です。だから、CTスキャンを受ける必要もなく、また職業上、仕方なく被ばくする人とも違います.


つまり、医療で許される被ばくはその人の全体の命を考えて「やむを得ない」ということであり、職業の場合は「子供でなく、仕事ができるような壮健な人で、妊娠の怖れが無く、被ばくするのがイヤならその職業から自分の意志で離れることができる」という制限付きです.


だから、東電のミスで無理矢理被爆する子供が20ミリシーベルトなどあり得ないのです.


一般人の1ミリシーベルトの限度を無視して良いと発言している人は、


1.法律や国際勧告を知らないか、


2.放射線医療機器メーカーからお金をもらっているか(医師)、


3.福島の子供の命を守るのが面倒なのか(文科省)、


4.パフォーマンスで得をしたいか、


5.政府から脅されて自分の職務を捨てたか(官吏、専門家)、


  のどれかと思います.


そんなことで私たちの大切な子供が被害を受けることを許すわけにはいきません。


頭をハッキリ整理して、「数値は一つしか無い」ということを再確認したいと思います。



(なお、「非常時の暫定値」というのは、事故で被ばくが避けられず、逃げる手段が無い場合で、かつ長い期間では1ミリシーベルトを守ることが前提です.)


平成23年4月23日 午前10時 執筆)

武田邦彦


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前の記事になりますが、この文科省の決めた20ミリシーベルトを撤回させる為のネット署名も4月30日まで続けられます。署名されてない方、ご協力ください。

武田先生のアドバイスは国民の立場になって正しい役立つ情報を執筆されています。
毎日、情報を確認される事をお勧めします。