憧れのヴォーリズ建築 駒井邸 その1

 
憧れのヴォーリズ建築駒井邸は、ヴォーリズの建築理論に基づいて作られた家です。
京都北白川にある駒井卓教授の邸宅…駒井家住宅(駒井卓・静江記念館)は、日本のダーウィンと呼ばれた遺伝学研究の権威であった駒井卓博士の住居でした。昭和初期に建てられたままの状態がよく保存されており、ヴォーリズ建築事務所の住宅として代表的な作品となっております。 1998年(平成10年)3月、歴史的、文化的価値が高い建造物として、京都市指定有形文化財に指定されました
現在はナショナルトラストが運営しています。
家に着くまでの疎水と桜並木もとても綺麗です。
 
 
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この家を愛した駒井博士は家に帰るのがとても楽しみだったそうです。
(疎水側から見た駒井邸)
 
 
こんな素敵な家なら誰でもそんな気持ちになります^^
因みにヴォーリズは、「家庭」もそうあるべきだと言っています。居心地の良い早く帰りたくなる家庭なら子供の非行や夜遊びはなくなると。
駒井家住宅は、朝ドラ「マッサン」にも登場しています。
まず、玄関から・・。玄関に必要なものはほとんど、靴箱も靴磨きの道具も空きスペース利用で設置されています。例えば、玄関横の階段の下の引き出しには、靴磨きの道具入れに・・・。
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こんな空きスペースの利用がヴォーリズはとても得意^^。
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リビングの作り付けのソファー。その下は引き出しがつていて物が収納できるようになっています。
 
 
こんなふうに初めからソファーが備えてあると掃除もしやすく、スペースも広く使えますね。
リビング。右は静江夫人が弾いたピアノ。左手にソファーがあります。
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大きなガラス窓もヴォーリズ建築の特徴の一つです。
 
日光をたくさん取り入れ、室内を明るく清潔に保ちます。
 
 
向こうに見えるのはサンルームで、特に光が溢れるように入る日光浴のための部屋です。窓枠が季節の庭の美しさを取り込むようなデザインになっています。
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窓枠も工夫が凝らしてあります。
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虫対策と換気のために二重の網戸になっていますが、、窓枠の美しさを損なわないように、同じ窓枠を網戸にも使用しぴったり重なるように作られています。
サンルームの隣には和室。
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こちらも窓が大きく二面にあって、風通しや明るさへの配慮があります洋風建築なので、外は洋風窓、内側は障子と二重の窓に・・・。
面白いのは、この部屋のふすまです。隣はリビング
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サンルームでは、この扉はどう見えるのでしょう?
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裏がふすまでも、こちらはちゃんと洋風の扉になっています。
どういう仕組みになっているのでしょうね?
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ヴォーリズ建築の特徴の一つにクリスタルのノブがあります。
 
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このノブの位置が低いのはなぜでしょう?
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ヒントは・・ヴォーリズが、住み手に取って快適な家を作る人であったこと。・・と言えば、もうおわかりいただだけると思いますが、
静江夫人の身長が低いので、彼女の手の位置に合わせているのです。
もう一種類のクリスタルノブ。駒井家住宅では、ノブの色を室内外で分けていて プライベートな空間である室内においては透明なクリスタル、 パブリックな空間では紫色のクリスタルを使われています。
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もう一つのクリスタルノブです。クリスタルノブは雑菌が付きにくく衛生的で美しいので採用したそうです。
階段と窓です。
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階段の手すりと大きな窓の配置のデザインが美しいですね。
この階段にも、ヴォーリズ建築の特徴があります。
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怪我がないように、また、掃除がしやすいように・・と、階段下段の淵が丸くなっています。
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階段の上り初めは段が低く、一段の幅も広いので、とても上りやすい階段です。
また手すりは、持ちやすく、人間工学的に?人の手にフイットするよう
真ん中に膨らみを持たせています。
 
明るいキッチン
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この時代に、すでに天井から床まで備え付けのシステムキッチンになっていました。食器棚も不要です。
ヴォーリズさんの美的センスと合理的な設備の工夫、住み手の安全や衛生、快適な住み心地への配慮を感じていただけると嬉しいです。
まだまだ、全てを紹介することができないので2回に分けて掲載します。