忘れないでおきたい「復興予算の流用」

忘れないでおきたい「復興予算の流用」



このtweetね、去年の今日にこんなtweetがあってん…ということを紹介するもんで、

このなかで紹介されてる去年のtweetに出てるのは「復興予算の流用」…つまり、

復興予算と言いながら、東北大震災の復興事業とは何の関係もないことに税金を使った事例が挙げられてるんです

(うん、うん、そう言えば、そんなコトあったよな…と思い出したボクは
 余りにも、物忘れが酷いと自分でも思う…)


そんでも、忘れてもろたんやったら、また思い出せばええやん…ということで

改めて「復興予算の流用」を再学習してみましょ…


…と言いつつ、まずその前に、「復興予算」がどのように捻出されるのか…ということを確認しておきますと

東日本大震災の被災者救援の財源確保を目的として所得税法人税、住民税を「増税」して捻出された…というか、

それは過去形ではなくて、これからも捻出していくものでありまして、

まず、本来の所得税額に2.1%の税率を乗じた金額を「復興特別所得税」として、

平成25年から25年間、増税する…ということがあります


次に、法人税については本来の法人税額の+10%分を上乗せして「復興特別法人税」とし、

「たった3年間だけ」徴収するはず…だったのが

なんと、それさえ1年短縮されて、たった2年間で終了…(って、なんでやねん!)

(ついでに言うときますと、この「復興特別法人税」は法人税率の引き下げとセットで実施されたので
 差し引きでは実質的には減税…つまり、それまでの法人税額よりも負担が減った…という、これまたべらぼうな話…)


そして、最後に「復興特別住民税」として、道府県民税・市町村民税あわせて+1000円を

平成26年度~平成35年度までの10年間間徴収する…ということになってます

(…って、結局、法人の負担はあっという間に終わった…のに、
 個人の負担は、所得税と市民税のダブルでまだまだ続く…という仕組みですわ…)


また、復興予算はこれらの「復興増税」だけでまかなえるものではないんですが

それはどっちみち、国民が消費税等の税金という形で負担するものなので、

「復興予算はすべて税金」ということをしっかり頭に入れて、

ここから、具体的な「復興予算の流用」を挙げてみましょう…

東日本大震災で発生したがれきについて、被災地以外の自治体が「その処理のお手伝いをします」と手を挙げたものの、

結局、がれきを受け入れなかった…というのに、環境省が「(がれきの受け入れを)検討すれば、

結果として受け入れなくても交付金の返還は生じない(返さなくてもいい)」という通達を出して

結果、がれきを受け入れなかった自治体や環境衛生組合に支出された交付金が340億円…
…って、なんちゅう話やねん、これ…

反捕鯨団体シー・シェパードによる妨害活動対策に23億円…
う~ん、これは「流用」というより、「詐欺」みたいな話やとぼくは思うんですが、当の水産庁は、

宮城県捕鯨基地の復興のためにはクジラの安定確保が欠かせない」…と言うてはります

刑務所の職業訓練拡大に3千万円…
この流用で、北海道と埼玉県の刑務所では小型油圧ショベルを買ったそうですが、これについては、

「被災地に近いのでガレキ撤去作業のための職業訓練…」と言うてはります…

(なかなか、刑務所も「作文」がうまいな…って、そんな話とちゃうねん!)

海外の青少年の被災地視察に72億円…
これはなんか、「かなり必要性に乏しい」…というか、優先度を度外視した倒錯話ではないのか…?

被災地以外も対象の「国内立地推進事業」に2950億円…
これって、「もう、この際や、なんでもかんでも混ぜてまえ」…って話ですかね?

ちなみに、経済産業省が企業の国内での立地や設備投資を支援するために

2950億円もの予算枠を設けた「国内立地推進事業」では、

補助金対象510件のうち、被災3県の事業はたった30件…で、じゃ、残りはどこが受け取ったのかというと、

トヨタキヤノン東芝などの大企業…なんだって

(もう、こんなん、トヨタとかキャノンとか東芝不買運動起こさなあかんで…)

武器車両等整備費669億円…、航空機整備費に99億円…
さすがは自衛隊…というか、防衛省、やることが違う…

自殺対策に37億円…
これについて内閣府自殺対策推進室は

「震災による心の被害を未然に防ぐという意味では防災に当たる」と釈明…してるそうです

(う~ん、内閣府も作文がなかなかうまいな…って、こんなん、座布団マイナス10枚や!)

被災地以外の道路整備や官庁施設、公営住宅の耐震化に使われた「全国防災」名目の予算4827億円…
この流用で都内など12カ所の税務署もめでたく耐震化されたそうですが、これについて税務署(国税庁)は、

「多くの納税者の安全に耐震化は必要」…と言うてはるそうです

(…っていうか、こんなん、自分たちの安全を最優先させた…ってことじゃないのかね?)


…と、こんなデタラメが全部で5000事業もあるそうですが

それをもれなく紹介してたら一週間あっても時間が足りなくなるのは確実…なので

もう、この辺でやめときます



そうそう、こういう「復興予算」の使い方について、つい最近、朝日新聞にインタビュー記事が出てましたんやけど

そのなかで、大島衆議院議長が「復興予算の使い方が非効率という批判は短絡的だ」…と、

なぜか「政府与党」の代弁(≒擁護)をしてはったんです

そんでも、衆議院議長と言うのは、その職務からし

党派と一線を画すべき不偏不党の姿勢が求められる地位であるところ

そんなことをすっかり忘れて、思いっきり政府のヨイショをしてるこの人は、

いったい自分の役職を何やと思てはるんでしょうかね…

(加えて、衆院議長にこういうインタビューを持ちかける朝日も朝日やと思うけどね)




※そういえば、東日本大震災から5年を迎えようとしていた3月11日の前日に

安倍ちんがいきなり記者会見を開いて、なんか言うてましたけど

安倍ちんたちが「復興」をどのように考えてるのか…について、

端的にわかるtweetがあったので紹介しておきます

高木大臣も逃げ回り 安倍政権「復興委」断固拒否の異常事態(日刊ゲンダイhttp://bit.ly/1LZxWbh 「国会の衆院復興特別委員会が、審議が始まらない異常事態に陥っている」「今月1日に来年度予算案が通過した衆院では、予算委以外の他の委員会での審議が本格化している。と

(続き)ころが、復興特委だけは9日に高木大臣の所信表明が19分間開かれただけ」「災害公営住宅は遅れに遅れ、いまだ完成は6割。仮設住宅から別の仮設住宅への転居を余儀なくされる人も少なくない。『まさか5年も仮設に住むとは思いませんでした』という被災者の声もあった」「(衆院復興特別委員

(続き)会の)審議が始まらないのには、下着ドロ疑惑や香典配布問題を抱える高木大臣にも原因がある。民主党の安住国対委員長代理は『疑惑を追及されるのが嫌だから“大臣隠し”をする。被災地をバカにしている』と批判していた」「安倍政権が本気で復興に取り組んでいるのかどうか疑わしい」
…ということで、安倍ちんたちにとって「復興に向けての話し合い」は

「自分たちの醜聞隠し」よりも優先度が低い…ってことになってるようですわ