不景気も「合わぬなら 作ってしまえ 偽統計」不正を揶揄する「秀作」次々「統計は答えを先に決めてから」”

“不景気も“合わぬなら作ってしまえ偽統計”
統計一つで好景気” 不正を揶揄する「秀作」次々

 総務省は統計の重要性の理解を深めるため「10月18日」を「統計の日」と定め、統計の大切さや重要さを伝える標語を2月1日~3月31日まで募集していますが、いかんせんタイミングが最悪でした。同省のツイッター上には統計不正を揶揄する標語が多数寄せられているということです。
 東京新聞が「不景気も統計一つで好景気」などの川柳もどきの4案?を紹介しました。
 
 他のメディアやツイッターにも
「統計は今や出世の一里塚」、「役所では貉が狸を検証し」、「統計で日本は世界の笑いもの」、「統計の真の目的 出世かな」、「アベノミクス 全ての統計自由自在」
などの傑作が載っています。
 政府がどんなに言い繕おうとしても、国民は全てを見通しているということです。
 
 日刊ゲンダイの「政権は何でもやる 統計偽装は国家的犯罪の疑惑濃厚」の記事を併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
“不景気も統計一つで好景気” 総務省標語募集 
東京新聞 2019年2月15日
“お上から鶴の一声、好景気”
“統計は答えを先に決めてから” 

 
 不景気も統計一つで好景気 -。十四日の衆院予算委員会立憲民主党会派の小川淳也氏が、統計の重要性をアピールする標語を募集した総務省の対応を厳しく批判した。募集開始は総務省の統計に不適切処理が判明したのと同じ一日で「危機管理がお粗末」と非難。同省のツイッター上には統計不正をやゆする標語が多数寄せられていると指摘し「合わぬなら作ってしまえ偽統計」など約二十の投稿を紹介した。
 
 一日に不適切処理が判明したのは、基幹統計の小売物価統計。総務省は十月十八日の「統計の日」に向け、啓発のため毎年、標語を募っている。
 
 小川氏は「政府の統計、アウトです」「お上から鶴の一声、好景気」「統計は答えを先に決めてから」などと投稿を次々と紹介。募集要項に関しても「不正について謝罪や釈明が何もない」とただした。
 石田真敏総務相は「一日の募集開始は知らなかった。統計の重要性はゆるがせにできないので標語の応募をお願いした」と釈明した。
 
 
この政権は何でもやる 統計偽装は国家的犯罪の疑惑濃厚
日刊ゲンダイ 2019年2月15日

(阿修羅 文字起こしより転載)
「不景気も 統計一つで 好景気」
「合わぬなら 作ってしまえ 偽統計」
「成長率 どれだけ盛れるか 腕次第

 14日の衆院予算委員会で立憲民主会派の小川淳也議員が読み上げたのは、総務省ツイッターへの書き込みだ。
 総務省は今月1日から、「統計の日」の標語を募集しているが、統計偽装問題が発覚したことで大喜利状態になっている。
 
為政者の 望み通りに 数いじる」
「政権の ウソを支える 虚偽統計」
「ウソ統計 総理が言えば ウソじゃない」
「統計の 捏造改竄 誰のため」
 

 これらの書き込みから分かるのは、実際よりも統計の数値を良く見せるため、官邸主導で国家ぐるみの偽装が行われたと国民が感じていることだ。さらに言えば、安倍政権なら、こうした不正に手を染めても不思議はないという不信感を抱いている。
 なにしろ、公文書も改ざんしてしまう政府なのだ。それも、首相の答弁に合わせて事実を隠蔽した疑いが持たれている。文書やメモが出てきても認めず、「あったこと」も「なかったこと」にしてしまう。都合の悪いファクトから目をそらし、文字や数字をいじって現実の方を歪めようとする。そういう政権のイカサマは、モリカケ問題で嫌というほど見せつけられてきた。
 
「毎月勤労統計」の問題も、厚労省が組織ぐるみで不正調査を隠蔽していた疑惑から、官邸主導のアベノミクス偽装だった疑いに発展してきた。これまた「首相案件」だった状況証拠が次々と出てきたのだ。
 
モリカケ問題と同じ構図
 予算委の質疑を通じ、2015年9月に「毎月勤労統計」の調査対象となる事業所を入れ替えるにあたって、事前に安倍の秘書官が厚労省に「問題意識」を伝えていたことが明らかになった。また出た、首相秘書官!
 加計学園問題では、経産省出身の柳瀬唯夫秘書官(当時)が、15年4月に加計学園獣医学部新設を巡って、愛媛県の担当者らと官邸で面会。やりとりを記録した愛媛県の文書に「本件は、首相案件」などとの発言が記載されていたが、国会では「記憶にない」とスットボケ続けた。
 この時期の官邸では、よほど「首相案件」がはやっていたのか、同じ年の3月末、厚労省から「毎月勤労統計」について事前説明を受けていたのが、財務省出身の中江元哉秘書官(現財務省関税局長)だ。賃金に関する数値改善の可能性などについて「問題意識」を伝えていたという。
 
「秘書官の耳に入るということは、役所では“総理ご関心事項”と言うんですよ」と指摘したのは、財務省出身の大串博志議員(立憲民主)である。実際、秘書官が説明を受けた直後から、統計の見直しが一気に進んだのだ。
「役所の忖度なのか、官邸が直接・間接の指示をしていたのか、いなかったのか。いずれにせよ、秘書官が動き、アベノミクスで上がるはずの賃金が上昇しないという懸案は解消されていった。モリカケ問題とまったく同じ構図です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 “総理のご意向”が働いたのではないかと追及された安倍は、「勤労統計について指示したことはまったくない」と強調。14日の予算委に閣僚の補佐役として出席していた中江関税局長は、小川から「問題意識」発言の真意などを問いただされたが、「関税局長として出席している。所管外のことは差し控える」と言い、数回にわたって答弁を拒否した。 
 
公文書も統計も信じられない国は終わっている 
 野党の求めで、中江関税局長は15日にも「元秘書官」の立場で予算委に出席することが決まったが、どうせ何も話しはしない。だからこそ、与党側も参考人招致に応じたのだ。黙って首相を守れば、出世の道と、輝かしい天下り人生のご褒美が待っている。
「官僚人事を握った官邸に権力が集中し、首相が『こうする』と決めたら、ルール違反もいとわずに役所が全力で望みをかなえるイビツな行政になってしまった。厚労省の統計不正問題も、04年から始まったとされるズサンな調査と、18年からの調査方法変更は別問題です。調査方法の変更によって、統計上の賃金が上振れし、それを根拠に『景気がいいから』と、消費税10%への増税が行われようとしている。納税者からすれば、やりきれない話です。納税する気もなくなります」(山田厚俊氏=前出)
 
 見逃せないのは、統計上の賃金が低く出ることに首相秘書官が「問題意識」を表明した15年は、自民党の総裁選が9月に行われ、安倍が無投票再選を決めたことだ。直後に打ち出した「新・3本の矢」で、「GDP600兆円」という数値目標を掲げた。そして、10月の経済財政諮問会議で、麻生財務相が「毎月勤労統計」の調査手法に文句をつけ、「具体的な改善方策を早急に検討していただきたい」と発言。ちょうど、アベノミクス後の数字が悪化した頃だった。思うように賃金が上がらないことにイラだっていたのだ。 
 それから、トントン拍子で“統計改革”が進められていく。16年の「経済財政運営と改革の基本方針=骨太の方針」には、成長戦略としてTPPなどとともに「経済統計の改善」が挙げられ、厚労省は統計委員会に調査手法の変更を諮問、同委員会も承認した。かくして実質賃金は上振れ、GDPもカサ上げされ、アベノミクスの成功を偽装するかのような統計が発表されることになる。
 
■GDPプラス速報も信用できない

「政府が発表する統計は、公正で正しいものだと信じられてきました。だから、それを基に議会審議や政策立案が行われるのに、今や国家の土台がヒビ割れて、大きな亀裂が入っている状態です。公文書も統計も信じられない国なんて、国際社会からも信用されません。保身と功名心のために国家の基幹を歪め、政府の信用を失ったことは、安倍政権の最大の罪だと思う。国家的犯罪ですよ。徹底追及が必要です」(政治学者・五十嵐仁氏) 
 
 国家の足元が揺らいでいるというのに、天皇の謝罪を要請した韓国の文喜相国会議長や、白血病を公表した競泳の池江璃花子選手の話題がテレビを席巻。そんな中、14日午前のテレビ画面に「速報」のテロップが流れた。
 内閣府が発表した18年10~12月期のGDP速報値が、実質で前期比0.3%、年率換算で1.4%増になったというニュースだ。
 2四半期ぶりにプラス成長に転じたというが、これだけ統計のインチキが明らかになっているのに、どうやってこの数字を信じろというのか。コトここに至っても、政府発表の数値に何の疑問も呈さず速報する大メディアは、大本営発表というほかない。
 
 日刊ゲンダイ連載コラムでジャーナリストの高野孟氏も
政府が発表する統計というのは多かれ少なかれ“大本営発表”というか、政府の都合のいいように操作されたものだと思ったほうがいい>と書いていた。
 数字は嘘をつかないと言われるが、権力者と詐欺師が数字を悪用するのは世の常だ。統計は国家の意思で動く。ましてや、このイカサマ政権は何でもやる。
 

 世論調査では、景気拡大を感じられないという声が8割に達する。GDPの数値がプラスに転じても、われわれ庶民には何の恩恵もない。ほくそ笑むのは安倍だけなのだ。
投稿者 湯沢 事務局 時刻: 9:00