たね蒔きジャーナル小出先生「事実、人の戻れない土地なのに、戻れるとの幻想を振りまいている」

10/11(火)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。


今日のスポーツ報知に、何と小出先生が写真入りで大きく出られて、たね蒔きジャーナルの本の紹介をされているということです。本の紹介のコーナーに出ていると言うことです。検索したら、以下に記事がありました。

http://hochi.yomiuri.co.jp/book/news/20111011-OHT1T00054.htm

 来週は毎日放送ラジオでスペシャルウィークであり、反骨の人を毎日紹介するということです。経産省の古賀さん、小出先生他を予定していると言うことです。


 TPPに関して、平野さん、アメリカのご機嫌取りであり、農業大国は関税が高いし、中国、韓国が参加しないのはおかしいとの指摘がありました。


 原発関係のニュース、福島事故から7か月、東電は冷温停止のめどが立ちつつあると説明しています。松本氏の記者会見で、一定のめどが立ち、年内の冷温停止になるとのことで、1号機73℃他、いずれも100℃を下回り、放出する放射能の検査もしているとのことです。


 緊急時避難準備区域の解除で、南相馬市で、私立の保育所が再開しています。しかし、園児が220人から20人に減ったところもあります。教員、保育士ももどっていません。

資料
■東京都内の地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計を示す汚染マップ
■東京都の高さ1メートルの空間線量率を示す汚染マップ
 
水野/文科省セシウムがどれだけついているか検査しており、東京のマップも公開され、奥多摩の中に6~10万ベクレル検出され、福島原発から250km離れて汚染されることについて、どうお感じになりますか?
小出/風向きがどうかであり、はじめ北西に流れて飯館を襲い、その後南下し、山に挟まれた谷あいを汚染して、栃木県群馬県まで汚染を広げ.奥多摩まで届いたのです。
水野/葛飾でも1~3万ベクレルの数値があり、チェルノブイリでは汚染地域に指定されるのは…?
小出/強制避難は55万ベクレルで、本来法律的に無人にしなければいけないのは、当時ですと1平方メートルあたり三万七千、現在は四万という数字です。
水野/葛飾区や江戸川区の一部で、最大三万ベクレルという数値も出てきていますが、健康に影響はないというふうに言っています
小出/…あきれた話だと思います。

平野/ これから行楽シーズンですが、奥多摩や行秩父によくハイキングに行くのですが‥
小出/山の中に入らない方がいいだろうと思います
平野/しかし、警戒情報が出ている気配ないですよねぇ
小出/日本の国は、この程度の汚染は大したことない…知らん顔をしろと決めたようなのですね。
平野/恐ろしいことですね。
水野/山が汚染されると水も汚染される。飲料水大丈夫ですか?
平野/きのこは?
小出/奥多摩でのきのこ狩りはやめた方がいいと思います。
水野/ 環境省の除せんの方針が1ミリシーベルト以上とすると、朝日の集計で、除染を要するのはなんと、日本の面積の3%に達すると…。
小出/私はずっと言ってきましたが、福島島全域を放射線管理区域に…つまり無人にしなければいけないと言ってきたのですが間…、ほぼ、そういう広さなのです。
政府の公表した地図を見れば…それしかないと思ったので、そう言ってきたやわけで…政府の方は初めから承知の上だったと思います。
平野/今回は、住民の抗議の声で下げたんですよね。年5ミリシーベルトって言ったんですからねぇ。
小出/そうですね。
水野/だからやっぱり国民が正しい知識を持ち、抗議しないといけないのです
できるだけ事故を小さく見せるというのは今も続いていると思われますか?
小出/どうも、この国は、そういう国のようです。
平野/ 除染して、どこまで下げるかについて、どこまで下げたら帰れるかという議論はないですね。
小出/年間1ミリの法律があったわけですから、それが守れないようなら、移住を希望する人には国家が移住を保証しないといけない。
そうしてしまえば、日本の国土の3%に相当する地域に住んでいる人たち全てにその権利を与えることになりますから、東電は倒産、日本も国家財政が底をつくが、やるべきだと思います
平野/除染費用、当初の見込みは1.2兆。これの7倍だととんでもない数字で…国家財政そのものが維持できないぐらいの金額になるが政府にその覚悟は見えない。
小出/そうですね。で‥やったところで、ろくにきれいにはならない。

水野/小出先生の写真がスポーツ報知に出ました。
小出/9月13日に取材を受けて、出してくださったようです。
水野/小出さんの本『知りたくないけれど知っておかねばならない原発の真実』この本の取材をした記者が小出さんにインタビューした記事
にこんな言葉が載っています。
 
http://livedoor.blogimg.jp/amenohimoharenohimo/imgs/b/b/bb21ba98.jpg
事実として、人の戻れない土地があるのに、戻れるとの幻想を振りまいている」と、小出先生指摘されています。
幻想というと、なかなか受け入れるのは難しいですね。
小出/皆さん…帰りたいんですよ。それは私でも土地を奪われ‥避難所に行けと言われても帰りたいと思います。
皆さん帰りたいと思って…避難所,仮設にいるが、残念ながら帰れないのです。ですから、早く次の生活設計のため情報を政府が出すべきなのです。
水野/しかし細野氏は警戒区域20キロ以内、圏内のところも帰れると言う発言をしています
小出/細野氏に住んでほしいです

 リスナーの質問、福島の子供たちの甲状腺検査が始まったが、こうした症状というのは潜伏期間があるのでは?について
小出/生涯チェックしないといけない、チェルノブイリでは比較的早めに…数年後から甲状腺がんが出る、数年間みっちり調べて、癌が出るようであれば、早めに手当て・手術をする必要がある。
除染すべきところは8つの都県にあり、ここの子供すべての検査が必要です。
 甲状腺の異常の治療法は、チェルノブイリでも子供に多発し、手術で対策した、これを、日本でやらないといけないのです。
平野/チェルノブイリ・ハート見ましたが、子供たちの痛ましい姿で涙が出ました。
甲状腺がんばかり注目されていますが、甲状腺がん以外にも病気を引き起こす可能性は?
小出/プルトニウムストロンチウムは骨にたまり、骨のがん、白血病プルトニウムは肺がんを引き起こすのです。これを調べる必要があるが、一番の脅威はセシウムです。
水野/ 子供たちの現状、戻れるとの幻想を振りまくと子供の被害が増えるのではないかとおもうのですが。
小出/計画的避難区域に戻り、保育所の再開というようなニュースを聞きました…私としては、なんとも痛ましいと思いました。

水野/その幻想がどういった状況を招くかということを私たちは見つめなきゃいけないということですね 今日のお話は以上でした、これを、お伝えしました。


たね蒔きジャーナル、続いて、ニューヨークのデモについて、ニューヨーク在住のジャーナリスト、北丸雄二さんのお話がありました。
デモは4週間になり、700人逮捕されています。


 北丸さん、今朝の8時半であり、ズコッティ公園がデモの中心(ワールドトレードセンターのそば)、野営(キャンピング)をしており、ホテルにも泊まらず、ニューヨーカーも集まり、毎日公園でたむろしています。日中1000人ほどいて、周りを警官隊が囲んでいるのです。観光客も野営に感心を持ち集まり、「楽しい」集まりであり、サマーキャンプのノリであり、ウッドストック反戦運動)の雰囲気であり、寄付も集まり、食べ物が無料配布され、バーベキュー、サラダとか、各種の慈善団体、リベラル派が寄付しています。一見、お祭りであり、だから続くのです。


 お話に水野さん驚いて、パフォーマンス班があり、いろんなチームを作り、掃除する人、食事を作る人もある、パフォーマンス、絵をかくなどのこともあるのです。


 スローガンはウォール街占拠であり、ウォール街は警官がいて取り囲めないのですが、デモで通り過ぎるしかない、毎日、何をするか話し合って活動しています。自治が取られていて、ライブラリー(古本)もある、メディア対応班もあり、世界各地の大学にアピールもしている、世界に流しているのです。それがデモ隊の正体です。


 長期化して、最終的な出口はどうなるかであり、何をどうしろと言うのかははっきりしていないが、上位1%の富裕層が富の25%を独占、6人に一人が貧困層(子供は5人に一人)、20~24歳の失業率は15%、アメリカの学費は4万ドル/年(感覚として400万円、4年で1600万円)もかかり、大学を出ても就職できないとローンのみが残るのです。このデモ、どこへ行くのか、彼らも分かっていない、どこの企業を上げて批判するかはやっていないのです。


 おばあちゃんの団体もあり、50年平和運動をしている人もいて、昔はベトナムとか一つに絞られたが、今は複雑に絡み、その根源がウォール街だとの指摘なのです。


 右寄りのティーパーティーへの対抗との指摘があると平野さんが言い、コントロールできないかは、彼らはリベラル派であり(マイケル・ムーアも来ている)、3年前オバマのチェンジを支持していたのが、リーマン・ショックオバマウォール街救済、金融緩和をして、アフガンも泥沼、ビンラディンの殺害と、オバマの実態が今までと違う、来年オバマ再選は出来ないと、保守派に対抗する形で、この野営になっているのです。オバマに裏切られた人が集まっているのです。しかし、来年は結局、オバマに流れるしかない人であり、オバマがどうなるかなのです。


 このデモ、オバマ政権に打撃を与えられるか、オバマ共和党の議会に手こずり、さらに民衆運動があると、これをバックグラウンドにして、民主党に妥協を迫れる、金融至上主義への対抗として、オバマがどううまく使えるかなのですが、どうなるかは不明です。


 経済の好転がないとだめなのです。


 これ、アメリカのデモの実態、よくわかりました。これを、お伝えいたしました。