福島原発対策で国は滅びる この国は東電福島と心中必至

福島原発対策で国は滅びる この国は東電福島と心中必至

福島原発対策で国は滅びる この国は東電福島と心中必至
(日刊ゲンダイ2013/8/8)

いよいよ滅亡が始まったこの国をどうする

政府は東電福島第1原発の敷地周囲の土を凍らせて地下水の流出を防ぐ「凍土方式」に国費を使う方針を固めた。予算は数百億円に上るという。


凍土方式とは耳慣れない言葉だが、要は地中を冷やすことで土と一緒に地下水を凍らせてしまう方法だ。マイナス数十度の冷却液が循環する管を、建屋を取り囲む形で少なくとも1・4キロにわたって埋設する。
効果は期待できるのだろうか。中部大教授の武田邦彦氏はこう言う。
「めったに使わない凍土という方法を持ち出したことは、東電と国が追い詰められている証拠です。ただ、地下はけっこう暖かく、15度くらいはある。常に冷やし続けなければならないし、本当に土と水を凍らせることができるかはあやしいですね」
東京電力に聞いてみると、こちらも自信なさげだった。
「凍土はこれから検証試験をして効果があるかを見極め、工事を開始します。費用などハッキリしたことは分かりません」(広報室)

要するに、このままダダ漏れでは原発再稼働どころじゃない。国も本気で取り組んでいる“そぶり”だけでもしようということだ。
しかし、凍土が決定的な解決法にならない以上、福島原発の処理は今後、泥沼化する。これまでは東電任せだったが、今回初めて国が乗り出し、数百億円とはいえ予算をつける。これはアリの一穴になる。なにしろ、汚染だけじゃなく、除染・廃炉費用もあるのだ。天文学的な費用になる。廃炉だけでも1基数百億~1000億円といわれている。加えて海に漏れ出した汚染水の漁業補償などもある。
そこに国がコミットするということは東電と心中するということだ。今後、無尽蔵の税金が使われてしまうことになる。
前出の武田氏も「事故の収束はまったく見えない」とこう言った。

「東電は格納容器の水を循環させていると説明していますが、本当はいまも水が漏れていて、こっそり水を入れ足しているのではないか。そうでないと、あんなに高濃度の汚染水が海に漏れるはずがありません。ここにきて国が国費を使うと言い出したのも不自然です。全国の原発を再稼働するために、凍土でも何でもいいから結果を出し、国民を納得させようという魂胆じゃないですか。全国の原発施設は福島第1原発と同じ基準で建設されているので建屋は脆(ぜい)弱(じやく)です。私は震度5の地震で壊れると考えています。原発再稼働なんて、とんでもない話です」
原発輸出国を目指す安倍首相が「どんな方法でもいいから水を止めろ」とハッパをかけたのだろうが、国民は傍観したら、とんでもないツケを背負わされることになる。
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