こんにちは、エネルギー担当の関根です。
日本原電の敦賀原発2号機が、直下に「活断層」があると断定され、廃炉になる見込みがきわめて高くなりました。国が「再稼動を認めない」と判断する最初のケースとなる見込みです。
原発事故のリスクが一つ取り除かれ、わたしたちの社会は脱原発にまた一歩近づくことになります。
一方、報道では電力業界に「動揺」、「危機感」、「打撃」といった記事も流れています。
確かに、原発だけに頼ってきた日本原電にとっては、経営危機に直結する廃炉判断は「打撃」。
そして、他の電力会社でも、原発への依存率が高いほど、経営への影響が大きくなります。
でも、原発をもつ電力会社への逆風はこれだけではありません。
★     もし原発を続けたいなら、電力会社は世界一厳しい(?)といわれている原発規制基準に合わせて多額の投資をしなければなりません。当然その費用は電気料金に上乗せされます。
★     自然エネルギーは世界でも、日本でもぐんぐん伸びています。右の図は、世界で新設された原子力、太陽光、風力発電所の発電容量をそれぞれ合計したもの。
原発新設が伸びない中(2008年はゼロ)、太陽光と風力の伸びが著しいことがわかりますね。
 
★     電力市場を完全に自由化し、家庭でも電力が選べるようになる法案は来年の通常国会には提出され、2016年には実施される見込みです。原発を作っている会社が消費者に選ばれるかどうかは大いに疑問です。
 
グリーンピースはこの3つを、電力会社が直面する3つの重要課題と位置づけ、http://www.greenpeace.org/japan/community_images/92/187492/79035_128090.jpg今年の2月の時点で電力会社やその株主向けのレポート「ポスト原子力の3大課題―国際事例から考える電力会社再生8戦略」を発表し、早期に原発から自然エネルギービジネスへとの方向転換することが電力会社の経営上も望ましい、ということを提言しました。
 
レポートでは、海外の事例をとりあげながら、電力会社が、この3大課題、つまりビジネス環境の大きな変化を巧みに利用し、自然エネルギー中心の新たなビジネスチャンスを戦略として取り組むことができるか否かがこの先の明暗をわける、と指摘しています。
そして、電力会社が再生に向かっていくための、8つの戦略を提案しています。ぜひご覧ください。↓

ポスト原子力の3大課題 --国際事例から考える電力会社再生8戦略


  1. 発送分離や規制緩和をはじめとする電力システム改革
  2. 東京電力福島第一原発事故を受けての原発の評価の低下
  3. グローバルな潮流となっている自然エネルギー革命
いずれも、ほとんど競争のない管轄エリアの中で守られてきた電力会社にとって、ビジネス環境の大きな変化となります。
この変化を巧みに利用し、自然エネルギー中心の新たなビジネスチャンスを戦略として取り組むことができるか否か、それがこの先の明暗をわけるでしょう。
この報告書では、3大課題の分析、欧州の電力会社の経験の評価、有用な事例紹介をとおして、日本の電力会社が今後取るべき戦略についての提言を行っています。
著者について:
ギョルギー・ダロス
グリーンピース・インターナショナル エネルギー投資シニアアドバイザー
ハンガリーIBMシティバンクで勤務後、米国のコンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループで国際エネルギー事業(電機、天然ガ ス、石油)の業務を担当。エコノミスト。国連食糧計画(WFP)のシニアエコノミストとして3年間の勤務を経て2011年より現職。投資家向けの報告書(既訳)
「原発-―21世紀の不良資産」 「日本生命と原子力産業」などでも原子力の経済リスクや、自然エネルギー市場の可能性の高さを指摘してきた。

推薦の言葉
「統合思考」とはこういうことを言う、というお手本のようなレポートだ。
今、欧米では株主や投資家向けの年次報告書に環境や社会の要素を含めた統合報告(integrated reporting)という考え方が提唱され、注目を集めている。ところが日本では、これは単に今までの年次報告書とCSR報告書を合体したものだと誤解されやすい。
本当はそうではなく、統合報告の前提には、戦略やビジョンの中に持続可能性への配慮を組み込んだ「統合的な思考(integrated thinking)」がなければならない。
電力会社がいつまでも原発固執するのでなく、自然エネルギーに戦略をシフトし、好立地を確保し、電力ポートフォリオを改善し、社会との関係を改善せよというこのレポートの提案は、統合思考そのものである。
それは、社会的リスクを軽減し、世の中にとって望ましいと同時に、経営上も合理的な判断だからである。
どの電力会社が最初にこの方向に舵を切るか。
年金や生保などプロの投資家は、このような視点で投資先企業を評価すべきだろう。
PDFダウンロード↓

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グリーンピースはこの3つを電力会社が直面する重要課題と位置づけ、
「ポスト原子力の3大課題―国際事例から考える電力会社再生8戦略」を発表。
早期に原発から自然エネルギービジネスへとの方向転換することが電力会社の
経営上も望ましい、ということを提言しました。

詳しくは下記のURLをご覧ください。
http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M270599&c=36663&d=b0a0

今年2月に発表したレポートでは、ビジネス環境の大きな変化を巧みに利用し、
自然エネルギー中心の新たなビジネスチャンスを戦略として取り組むことが
できるか否かがこの先の明暗をわける、と指摘しています。
そして、電力会社が再生に向かっていくための8つの戦略を提案しています。


●ウェブサイトでは東京電力福島第一原発の汚染水の海洋放出に反対する
オンライン署名を開始しています。

関連ブログ:東電 地下水分析は、関電グループ企業におまかせ?!
http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M270600&c=36663&d=b0a0

集まった署名は、東京電力と安倍首相(日本政府)に提出します。
是非皆さまの声を届けてください。お友だちやご家族にも拡散してください。

オンライン署名に今すぐ参加
http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M270601&c=36663&d=b0a0


●原子炉のメーカー責任を問えるようにするよう訴えるオンライン署名も実施中。
事故を繰り返さないために、一日も早く原発のない未来を実現するために
ご参加をお願いいたします。
5月17日現在、既に10万筆以上のご署名をいただきました。
お預かりした皆さまの声は、グリーンピースから日本政府及び
原子炉メーカー各社にお伝えいたします。

オンライン署名はこちらから
http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M270602&c=36663&d=b0a0