飛べない蝶の記録


水曜日。アゲハ蝶の子どもは、残りの2匹も無事羽化しました。
この日は大雨なので外に出せません。
二匹が待ち遠しそうに網戸に張り付いています。

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でも一匹は羽化に失敗したのか?羽の先が曲がっていました。


木曜日
窓を開けると颯爽と飛び立っていきましたが、一匹は、やはり飛べずにベランダに
落ちてしまいました。
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羽の先が折れているのです。

蝶の世界も全員が無事羽化することはなく、何パーセントかの蝶は障害を持って生まれるのですね。

さて、飛べない蝶をどうしてあげたらいいでしょう。

ネットで見ると・・
外に放しても飛べないので,鳥に食べられるだけ・・家で飼ってあげましょうと。

その日からウチの子に。名前もつけましたよ。
蝶ちゃん(ちょっちゃん)です。(そのまんま~


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飛べなくてもアゲハは緑と似合います。でも、バタバタしてうまくつかまれず
植物の上に置くのは失敗でした。家で飼うことにします。
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よく見ると可憐でなかなか可愛い子です。手前は金柑の花

飛べなくても、空への想いは本能に刷り込まれている様子。


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高いところが大好きで、網戸に登って空を眺めます。
飛びたいのでしょう。時々羽をパタパタ動かしています。

高い所から飛び降りたら・・飛べるかな?
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でも落ちるだけ。
そしてまた登って空を眺めます。

落ちても落ちても、めげずに登る姿にはちょっと感動・・。


餌は・・これもネットで調べて、はちみつを水で10倍に薄めた蜜か
スポーツ飲料を一日1回与えます。
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ティッシュにしみこませた蜜に前脚をかけさせると、前脚は味覚がわかるので、
安心して、口吻を伸ばして蜜を吸います。


毎朝,掌の上に乗せて蜜をあげるので、手乗り蝶々のようになりました^^。
「ちょっちゃん」と呼ぶと羽をパタパタさせます。

障害を持った蝶々は体も弱くできているようで、
羽をパタパタさせたり、あちこちにぶつかったりするたびに、羽が傷ついて
・・あっという間にボロボロに・・
でも、この日も青空に向かって羽を動かしています。いじらしいです。

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その上、大事な大きな羽も左側が取れてしまいました。
それでも元気いっぱいに、網戸やカーテンにのぼるアゲハちゃん。
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羽が取れてしまったけど、この写真が好きです。
一つしかない片羽を振り上げて元気にカーテンを登る姿はかっこいい~♪
この子は頑張り屋なんだぁ~と親ばか(笑)

気分はすっかりアゲハ蝶の親。(^_^;)

高い所から落ちるとバランスが取れずに自分では元に戻れないので
ダンボールで家を作りました。両面を100均のレースのカーテンで。

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お家のカーテンも一番上まで登るよ♪



月曜日。少し弱ってきました。
帰宅するといつもアゲハの家のレースのカーテンにつかまって外を見ています。
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生きているうちに、好きな景色をみせたくて網戸につけると、
また上まで登って夕暮れの空を眺めていました。
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今日、火曜日は6日目です。普通の蝶の寿命は10日ほど。
せめて1週間は生きてほしい。
でも、今朝はだいぶ弱っていました。
掌に乗せて蜜を吸うのは1分ほどなのに、
今日はいつまでも掌の上に乗って離れませんでした。

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出勤の時間なのでこの子の家に戻しますが、呼んでも動く気配がありません。

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虫好きだった長男とラインで、アゲハの日記をやり取りしています。

飛べなかったけど
精一杯頑張って生きたこの子を褒めてあげたいね…と。

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生きているだろうか?と思いながら帰ってくると
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いつも通りの姿が…。

でも、生きる力はあまり残ってないようで、出してもほとんど動けません。

ありがとう。待っていてくれたんだね。

それだけでも、信じがたいことでした。
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お家に入れると、またカーテンをよろよろ登っていつものような姿に…。
心配しないで安心して休んでね…というメッセージのように思えました。

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この6月は、生き物を飼う楽しさや喜び、
その命が失われようとする悲しみ・・いろんな経験をさせてもらいました。